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下地処理とは?

下地処理とは、ボディコーティングを施工する前に、塗装表面の状態を最適化するための一連の作業工程を指します。具体的には、洗車だけでは除去できない付着物や微細な凹凸を取り除き、塗装本来の状態に近づける作業です。

新車・中古車を問わず、塗装表面には以下のような要因が必ず存在します。

  • 鉄粉・ブレーキダスト・ピッチタールなどの固着汚れ
  • 洗車キズ・拭きキズ・軽度のスクラッチ
  • 塗装表面の酸化やくすみ

これらを残したままコーティングを施工すると、密着性の低下・耐久性不足・仕上がりのムラといったトラブルにつながります。そのため、下地処理はコーティング品質を左右する最重要工程といえます。

当店では、車両の状態や塗装の硬さを見極めたうえで、ディテール洗浄・研磨レベルを個別に判断し、過剰な研磨を行わないことを基本方針としています。

研磨を行うには適正な環境が必須です。

まずはこちらをご覧ください


研磨の目的とは?

研磨(ポリッシュ)の目的は、単に「キズを消すこと」ではありません。本質的な目的は以下の3点に集約されます。

1. 塗装表面を均一に整える

塗装面には、肉眼では確認しづらい微細な凹凸や乱反射が存在します。研磨によって表面を均一化することで、光の反射が整い、深みのある艶が生まれます。

2. コーティングの定着性を高める

研磨後のクリーンな塗装面は、コーティング剤が均一に密着しやすくなります。これにより、耐久性・防汚性能・撥水性能を本来の設計通り発揮させることが可能になります。

3. 塗装を守るための最小限の修正

重要なのは「どこまで研磨するか」という判断です。必要以上に塗装を研磨することは、将来的な再研磨や再施工のリスクを高めます。当店では、塗装膜厚・ダメージレベルに応じた最小限の研磨を行い、長期的に塗装を守ることを重視しています。

当店が考える研磨と下地処理の考え方

一般的に「研磨=強い作業」というイメージを持たれがちですが、実際には

  • 新車:研磨を行わず、ディテール洗浄と軽い調整のみ
  • 使用車:状態に応じてライト〜ミドル研磨を選択

といったように、車両ごとに最適な工程は異なります

下地処理と研磨は、見た目の美しさだけでなく、コーティングの性能・耐久性・施工後の満足度を左右する基礎工事です。当店では、この工程を最も重視し、時間と手間を惜しまず施工を行っています。

磨くという事について|カービューティープロ札幌ドーム前の考え方

新車の場合、目安として納車後1週間以内、かつ走行距離が100km以内であれば、研磨なしでのコーティング施工も承っております。
これは、新車に機械を使った研磨を施すことに抵抗を感じる方や、コストを抑えたいお客様向けの対応です。

ただし、実際にお車を拝見して研磨が必要と判断した場合は、事前にご相談の上、適切な処置をご提案させていただきますのでご安心ください。

新車の場合の基本的な考え方

経年車・使用過程車の場合の基本的な考え方

研磨レベル早見表

以下は、経年車を中心に「車の状態」と「おすすめ研磨レベル」を整理した早見表です。実際の施工では塗装の硬さ・膜厚・保管環境を確認したうえで最終判断を行いますが、事前検討の目安としてご覧ください。

Danger

※当店では「どれだけ削るか」を明確にすることで、仕上がりの美しさだけでなく、塗装を将来的に守るための判断材料として研磨量を数値で提示しています。

車の状態・使用年数主な症状・特徴おすすめ研磨レベル仕上がりイメージ
新車〜登録1年目立つキズなし/艶は十分研磨なし〜Easy艶を整えコーティング定着を最優先
登録1〜3年軽度の洗車キズ/くすみEasy / ライトポリッシュ艶感向上・軽度キズを目立たなく
登録3〜5年洗車キズが増加/艶低下ミドルポリッシュ塗装を平滑化し大幅な艶回復
登録5年以上深いキズ・酸化・色ボケハードポリッシュ可能な範囲で最大限の復元
ショーカー・展示車完璧な外観重視スペシャルポリッシュ塗装状態に応じた最高水準仕上げ

Easy(軽研磨)

研磨量:約0.5μm
対象:状態の良い車、コスト重視の方

  • 軽度の洗車キズは目立たなくし、艶を整えることに重点を置いた研磨
  • 塗装を最小限しか削らないため、塗装保護と艶復元を両立

ライトポリッシュ(基本研磨・3年以内車向け)

研磨量:約1〜2μm(2工程)
対象:登録3年以内、軽度〜中程度のキズがある車

  • 軽度の洗車キズやくすみを取り除き、艶感を向上
  • 新車に近い外観を維持したい方に最適
  • 価格と仕上がりのバランスが良いコース

ミドルポリッシュ(復元研磨・5年以内車向け)

研磨量:約3〜5μm(3工程)
対象:登録5年以内、経年車の艶復元

  • 塗装面を平滑化し、傷を可能な限り除去
  • 新車以上の美しさを演出
  • 最も人気のある基本研磨コース
  • 深めの洗車キズやくすみを改善

ハードポリッシュ(深キズ対応・ショーレベル磨き)

研磨量:状況により調整(深キズ対応)
対象:登録5年以上、状態が悪い車、内覧会やショーレベルの仕上げ希望者

  • より深いキズや経年劣化を可能な限り除去し、艶を最大化
  • 板金塗装や薄い塗装は追加料金の可能性あり
  • 膜厚計で安全管理

スペシャルポリッシュ(究極の美しさ・お任せコース)

研磨量:塗装状態に応じて最適化
対象:美しさを最優先したい方、ショーカーや展示車

  • 塗装の状態、厚さ、使用状況に応じて最適な研磨を施す究極コース
  • 塗装保護と美しさの両立を追求
  • 場合によっては施工不可のこともあり

下地処理と研磨に関するFAQ

Q1. 研磨は何回まで行えますか?

A1. 塗装の状態や膜厚によります。通常は最小限の研磨で美しさを回復するため、繰り返しの研磨は塗装保護の観点から控えます。必要に応じて現車確認後、最適な回数をご提案します。

Q2. 新車でも研磨は必要ですか?

A2. 新車の場合、基本的にディテール洗浄で十分ですが、輸送時や展示車で微細な洗車キズがある場合は、ライトポリッシュなど軽度研磨で艶を整えることがあります。

Q3. 洗車キズはどこまで消えますか?

A3. 浅いキズや軽度のスクラッチは研磨で目立たなくできます。深いキズや塗装欠損は完全には消えないため、状態に応じて最適な研磨レベルをご提案します。

Q4. 塗装が薄い車でも大丈夫ですか?

A4. はい、膜厚を測定し必要最小限の研磨量で対応します。塗装が薄い場合は、削りすぎを避けるため、軽度研磨に限定することがあります。

Q5. エンブレムや装飾部品は研磨できますか?

A5. 基本的に部品の脱着は行いません。取り外して磨く場合は別途お見積りが必要です(部品代・脱着・洗浄費用)。

コーティング全体の流れ(施工手順)

  ポリッシュレベル詳細 
 ALL
プロの技は、ボディ状態のチェックから始まります。
塗装面の状態により使用するケミカル、磨きの工程などを決めていきます。
 ALL
まずは足回りの洗浄から始まり、ボディ、そして細部に至るまでキレイに洗い上げます。
ALL
or
OPTION

ドア内、トランク回り、給油口、ナンバー、突起物周り等
 ALL
手洗い洗車で泥や砂、軽度な水垢を丁寧におとします
  ALL
塗装面の汚染物質の除去。塗装面のザラつきの原因である鉄粉、塗装ミストを除去(全コース)
  ALL 
コンパウンドの粉をすき間に入れないようにする為、また薄いエッジや樹脂部分をマスキングテープで保護
  SP・HP・MP
ここが腕の見せ所。塗装面をいかに平滑化することができるかで最終的な仕上がりが変わるからです。塗装面の傷やウォータースポットの除去
  SP・HP・MP・LP
塗装本来の光沢をハッキリと復元(コースによります)
  ALL
コーティングのために塗装面を平滑に整える
  ALL
機械で磨けない部分を丁寧に手磨き
  ALL
コーティング剤の定着を向上させるために、油分を完全に除去する

またコーティングの定着率を上げるためパネル温度を上げる
  ALL
ポリッシャーを使ってコーティング剤を塗装面全体に均一に塗布
  ALL 
機械で処理できない部分は手塗りで丁寧に塗布
  ALL
充分な乾燥をさせコーティング剤の定着を確認後丁寧に拭きとる
 コーティング剤による
最新式カーボンヒーターを使い強制的に熱を加え、短時間でガラス被膜へと転化させます。
 コーティング剤によるエージング (熟成時間)
エアコンにて30度 12時間 温度管理します。
  ALL
汚れていたタイヤに輝きを与え、足元を引き締めます
  ALL
ガラスや灰皿等細部もキレイに清掃
  ALL 
細部確認を行いPROステッカーを貼って完了
これらの何段階にもわたる作業工程を経て、クルマは本来の輝きを取り戻し長期間にわたって美しさを維持することが可能になります。  

研磨工程1~3回と目安を書いておりますが決してその通りではございません。それはお車によって状態に差があるため2工程のライトポリッシュでも4回程度の研磨(粗→中→仕上→仕上)をする場合もあります。ミドルポリッシュも場合によっては5回ほど研磨する場合もあります。



店長

よく使われる名称で「鏡面研磨】がありますが2回程度で研磨を行っても鏡面にはなりません。そのような表現をされる場合は無理やり磨いてますのでオーロラ、バフ傷が多いです。もっとも2回程度で鏡面と言うのもおこがましいですが‥

業界歴20年以上の研磨職人「TANAKA」

判りやすくするために目安を書いておりますが当店のライトポリッシュでは平均的なお店のミドルポリッシュ以上になります。

その根拠として、しっかりした照明設備(力率のある照明)で塗装面を把握するからです。

蛍光灯のみや屋外での研磨、外光が差し込む環境とは研磨のレベル、仕上がりは段違いと自負致します。

研磨前後の比較

研磨 具体例をご覧ください。HP(ハードポリッシュの1回目の研磨)

トヨタ202ブラック ハードポリッシュの1工程目 若干、オーロラが残っておりますが、この後の仕上げ研磨でスッキリさせます。

プリウス 202ブラックとランドクルーザーの仕上がり

店長

2025年 現在では上記の研磨法は行う事は少なくなってきましたが、近年の高トルクタイプのポリッシャーしか経験が無い場合(あまり経験がなくとも程々仕上がる 2016年開業者が多い)は、肌目の違いを理解されない場合が多いので、上記の研磨が出来るか否かがポイントとなります。

202ブラックは小型から大型までのカラーとして使われており大変デリケートです。その中でもプリウス等のエコカーはランドクルーザーに比べ柔らかく感じます。つまり傷が入りやすいと言う事です。

違いのわかりにくいシルバーでも「ミドルポリッシュ」でこんなに変わります。

サンプル車両はホンダ・ライフです。軽自動車はコストの問題で塗装は薄く、この時代のライフはあまり状態がよろしくありませんので、あえて見本とさせて頂きました。ボンネットは新車以上の輝きになってます。


施工事例ページ(新車)

「新車施工事例はこちらでご覧いただけます」

施工事例ページ(経年車)

「施工事例はこちらでご覧いただけます」

下地処理の考え方について

【下地処理】ディテール洗浄について

カービューティープロ札幌ドーム前の特色としては、コーティング作業の際、他社ではあまり行わないディテール洗浄に力を入れている点です。
ディテール=細かい部分の洗浄です。

具体的に言いますとエンブレムやすき間の水垢です。

【さらに詳しく】札幌の車・バイク研磨・下地処理施工例|コーティング前の完全仕上げ

【画像で見る研磨技術の見極め方】

関連記事

お車の洗浄について

お車の洗車にはさまざまな方法がありますが、カービューティープロ札幌ドーム前では、塗装面をできるだけ傷めないことを最優先に考えています。

特に近年の車両にはデリケートな塗装が施されているため、単に汚れを落とすだけではなく、塗装面の保護とコンディション維持を重視したアプローチが必要です。

当店では、
・高圧洗浄機によるプレウォッシュ(事前の砂・ホコリ除去)
・専用の中性シャンプーを使用した優しい手洗い
・塗装面に極力摩擦を与えない洗浄工程

これらを基本とし、大切なお車にとって最適な洗浄方法を選択しています。

洗車グローブ・ムートン・マイクロファイバータオルでの洗浄はお控えください。

【非常に大切】マスキングの品質が施工の質を決める

マスキングは単なる作業工程のひとつではなく、コーティングの品質を左右する極めて重要なプロセスです。手間と時間を惜しんでマスキングを省く業者が増えていますが、それでは施工後のクオリティは担保できません。

当店の施工例を真似る業者も多く見受けられますが、マスキングの要点を理解せず、雑な貼り方や汚れた貼り方をしているケースが散見されます。これは単なる模倣に過ぎず、技術の本質を理解していない証拠です。

また、撮影時に簡素すぎるマスキングやヘッドライト周辺の処理を軽視する例も多くありますが(軽視した結果 白濁・黄変を招く)、こうした甘い施工は顧客に誤った印象を与え、トラブルの原因となります。細部まで徹底したマスキングこそが、仕上がりの均一性と耐久性に直結します。

プロとして施工品質を守るためにも、マスキングの丁寧な施工とその重要性の理解を再認識し、手順を省略せずに徹底してください。


コンパウンドについて

ライトポリッシュとはいえ侮るなかれ!

最近、「軽研磨」という言葉をよく耳にしますが、お客様からすると「どこも同じようなサービスなのでは?」と感じられることもあるかと思います。

当店では、経年車に対して「ライトポリッシュ」という研磨コースをご用意しております。直訳すると「軽研磨」と似た意味合いですが、実際には以下のような違いがあります。


https://wp.me/p9JpDT-iiW
さらに知りたい場合は下記から詳しく記載しておりますので、コーティング施工の指針としてご活用いただければと思います。


傷を埋める、または目立たなくするガラスコーティング?

「削る」と表現されることの真実

「磨く」とは、すなわち塗装を“削る”ことです。これは事実です。
しかし、「削ったからこうなった」「仕方がなかった」といった言い訳として使うのであれば、それは技術ではなく、ただの都合のいい言葉になってしまいます。

本来、磨き=研磨は塗装の状態を見極めた上で最小限にとどめ、最大限の効果を引き出す技術であるべきです。
削る行為を“言い訳”に使うのではなく、“仕上がりの質”で証明することこそが、プロの磨きです。

塗膜計測のための膜厚計 本当と嘘

研磨を行う際には塗装の状態を把握するため、膜厚計で塗装状況を把握し適正な機械と液剤を選定、有限の塗装面を磨きすぎる事(過研磨)の無いようにしています。

画像で見る研磨技術の見極め方


施工前の傷をスポットライトで撮影し、施工後はスポットライトを消して「キレイに見せる」写真を掲載しているケースがあります。
しかし、これは実際の仕上がりをごまかしている可能性もあるため、注意が必要です。

スポットライトは、塗装面の微細な傷や仕上がりのムラを確認するための重要な光源です。
ビフォー・アフターで同じ光源・角度で撮影されていない場合は、正確な比較ができないと考えた方が良いでしょう。

本当に仕上がりに自信のある施工店は、「見せ方」ではなく「仕上がり」で証明します。

コーティング屋さんと磨き屋さん、違いと見分け方

カービューティープロ札幌ドーム前と通常のカービューティープロ施工店の違い

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