厳冬期におけるジェットヒーター使用の注意点(コーティング施工視点)

寒い冬の時期にコーティング施工を行う際によく使われる「ジェットヒーター」についてのお話です。
暖かくて使いやすいジェットヒーターですが、実はコーティング施工には向かないことをご存じでしょうか?その理由と対策をわかりやすく解説します。
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ジェットヒーターって何が良いの?
ジェットヒーターは工場などでよく見かける暖房器具で、とにかく早く温度を上げられるのがメリット。冬場の作業環境を暖めるには非常に効果的です。
でもコーティングにはちょっと待った!
コーティングは塗料が硬化する過程で「加水分解」や「脱水縮合」という化学反応を経て、しっかりとガラス質に変わっていきます。
ここで重要なのが「湿度」。湿度が高すぎると、この硬化プロセスがうまくいかず、白濁や硬化不良が起きてしまうことがあります。
なぜジェットヒーターは湿度を上げてしまうの?
灯油を燃やすと、二酸化炭素と一緒に大量の水蒸気(水分)が発生します。
実は、灯油1リットルの燃焼で約1リットルの水が生まれるんです。
この水蒸気が室内の湿度をぐっと上げてしまい、コーティングの硬化を妨げてしまいます。
ジェットヒーター使用時に見られるトラブル
施工後数週間で、白い雨染みのような痕跡が表面に出てくることがあります。これは湿度の影響による硬化不良のサイン。
また、白いスケール(固まった白い物質)がコーティング面に付着し、頻繁なメンテナンスが必要になることも。
じゃあどうすればいいの?
湿度を上げずに暖めるには、燃焼時の水蒸気を室外に排出する「FF式ファンヒーター」の使用がオススメです。
このタイプは室外から空気を取り込み、排気も外に出すため、室内の湿度を上げません。
さらに、コンクリート床面からの湿気も湿度上昇の原因となるため、防水処理をしっかり行うことが大切です。
まとめ
- ジェットヒーターは暖房効果が高いが、燃焼時に湿度を上げてしまいコーティングには不向き。
- 湿度の高い環境での施工は硬化不良や白濁のリスクを高める。
- FF式ファンヒーターや床面の防水処理で湿度管理を徹底しよう。
- 施工環境を整えることが、コーティングの品質維持につながる。
冬の施工環境を快適にする暖房機器選びは、コーティングの仕上がりに直結します。ぜひ参考にして、品質の良い施工を心がけてくださいね!
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