滅菌クリーニングって本当ですか? 札幌市 車のクリーニング

「滅菌クリーニング」という言葉は、車のクリーニング業界ではやや曖昧で、場合によっては誇張表現として使われることがあります。札幌市内でも一部の業者がこの言葉を使って宣伝している場合がありますが、その意味合いには注意が必要です。
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車内クリーニングの際に滅菌?
最近、車内クリーニングの際に「滅菌ができるかどうか?」と質問されることが増えています。詳しく話を聞いてみると、多くのクリーニング業者が「滅菌クリーニング」というコースを提供しているケースが見受けられます。
しかし、下記の動画のような方法を「滅菌」と称している場合がありますが、このような手法は加熱温度が不十分であり、正確には滅菌とは言えません。単に表面的に温めているだけの状態です。
ケルヒャー製スチームクリーナー
噴き出し温度が高く安定してますが、そのやり方によっては滅菌と言えないほどの低温となってしまいます。
YouTube
外気温-10度
室温24度前後
対象物 22.4度 自動車のマット
動画は具体性を持たせるため、手法を真似ててみました。
しっかりしたノウハウがあれば絶対に行わない方法です。
具体的に言いますとスチームクリーナーを対象部に当てて上下左右に素早く動かしても温度50度程度が関の山 です。

これを滅菌と言えるのでしょうか?
用語 | 説明 | 車内クリーニングでの実態 |
---|---|---|
滅菌 | 全ての微生物・細菌・ウイルスを死滅 | 高温高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)で行うなど、車内ではほぼ不可能 |
除菌 | 一定の菌数を減らす | アルコール・次亜塩素酸水・オゾン・スチームで菌を減らす処理が一般的 |
抗菌 | 菌の増殖を抑える処理 | 抗菌剤のコーティングなど |
滅菌とは
対象面の菌やウィルスを全て除去する事を指しますが、完全になくすことは不可能なため、対象面の菌を100万の1にする事を言います。 特別な環境や器具を使用しないと不可能なので主に医療用現場で使われる言葉です。
微生物を完全に死滅させるために一定の温度・時間の加熱(例:121℃で15分間の高圧蒸気滅菌)
または化学的滅菌法など、科学的に根拠のある厳密な処理を指します。
業者の表現に注意
一般的な車内クリーニングで使用される温風やスチームの温度は、おおよそ50〜80℃程度であり、その時間も限られています。この条件では、確実な「滅菌」を達成することはできません。そのため、「滅菌」は「除菌」や「抗菌」と明確に区別されるべき概念です。
単に熱風やスチームをかけるだけで「滅菌」と称するのは、科学的には正確ではなく、誇大表現にあたる可能性があります。
「滅菌クリーニング」とうたう業者に対しては、具体的な処理方法や使用温度、時間、薬剤について詳しく確認することが重要です。
詳しくは厚生労働省のページへ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/index.html
景品表示法について
景品表示法とは
うそや大げさな表示など、消費者をだますような表示を禁止しています。
品質や価格などは、消費者が商品・サービスを選ぶ重要な基準になりますから、その表示は正しく、分かりやすいことが大前提です。
ところが、商品・サービスの品質や価格について実際よりも著しく優良又は有利と見せかける
表示が行われると、消費者の適切な商品・サービスの選択が妨げられてしまいます。このため、景品表示法では一般消費者に商品・サービスの品質や価格について、実際のもの等より著しく優良又は有利であると誤認される表示(不当表示)を禁止しています。
景品表示法に違反する不当表示については、事業者側に故意・過失がなかったとしても、景品表示法に基づく措置命令が行われることとなります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling
事例でわかる景品表示法 (PDF)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf
各相談窓口
2023年、苦情が多いらしいので各役所より情報提供を求められております。もちろん提供は行います。
出張業者について
出張で車内クリーニングを行う場合、作業後の清掃や洗浄が適切に実施されているかが非常に重要です。使用する機材は毎回しっかりと除菌・乾燥を行う必要があります。作業をしてすぐに帰るだけ、というのはあってはならないことです。
例えば医療機関では、院内感染を防ぐために専用の滅菌器具を用いていますが、車のクリーニング業界ではこのような厳密な衛生管理はまだほとんど浸透していません。
特に、他人の嘔吐物や尿などを除去する場合でも、簡易的な洗浄にとどまることが多いのが現状です。
クリーニングは見た目の清潔さはもちろん大切ですが、それ以上に使用する道具の除菌や洗浄が徹底されていることが求められます。
出張作業は時間の制約があり、その点が難しいところかもしれませんが、手軽に見える施工方法だからといって安易に選ぶのはおすすめできません。
https://pro-sapporo.com/blog/roomcleaning_point/#i-8
選ぶのはお客様自身です。