磨くという事について|カービューティープロ札幌ドーム前の考え方

当店の対応について

当店のお客様は一般の方が90%以上を占めており、ディーラー様からのご依頼は極力控えております。
そのため、多様なニーズにお応えできるよう、下地処理や研磨に関しては以下のように段階的なメニューをご用意しています。

  • 新車向け研磨メニュー:4段階
  • 経年車向け研磨メニュー:5段階

基本的にはお客様のご希望に沿って施工を行いますが、例えば「一番簡単な研磨で鏡面仕上げをしてほしい」といったご要望と、ご予算が大きくかけ離れている場合は、適切なアドバイスをさせていただいております。

お客様に納得いただける仕上がりと料金のバランスを大切にしていますので、ご安心ください。

新車のコーティング施工について

新車の場合、目安として納車後1週間以内、かつ走行距離が100km以内であれば、研磨なしでのコーティング施工も承っております。
これは、新車に機械を使った研磨を施すことに抵抗を感じる方や、コストを抑えたいお客様向けの対応です。

ただし、実際にお車を拝見して研磨が必要と判断した場合は、事前にご相談の上、適切な処置をご提案させていただきますのでご安心ください。

研磨って本当に必要なの?

コーティングの施工時に「下地処理が必要」とよく言われます。
当店も開業当初はそう思っていましたが、ある時疑問が湧きました。

多くの場合、下地処理が必要とされる理由は次の2つです。

  1. 新車でも汚れや傷があるから
  2. 研磨を行うことでコーティングの定着率が上がるから

1. 汚れや傷の除去について

汚れている場合、いきなり研磨するのは無謀ですし、してはいけません。
まずは洗浄剤で落とせるものを落とし、それでも取れない汚れがあれば研磨、さらにそれでも取れない場合はペーパー掛けという順序で行います。
これは大切なお客様の愛車を守るための基本的な配慮です。

傷についても同様です。
洗車などでできる薄い傷や作業中に入る傷は研磨で除去できる場合がありますが、それは日常の光で見えるものでしょうか?多くは特殊な照明や強い光で見えるほどの微細なものです。
傷ゼロの車は存在しませんし、研磨後もわずかな傷が入ることがあります。

つまり、「傷があるから研磨が必要」というのは理由としては弱いのです。


2. 研磨によるコーティング定着率向上について

研磨を行うことで「コーティングの定着率が上がる」と言われますが、それは具体的にどのレベルの研磨でしょうか?

鏡面研磨のようにツルツルに磨き上げることと、コーティングの定着は矛盾しているとも言えます。
塗装の世界では、塗料を定着させるためにあえて細かい傷を入れる「足付け」という工程があります。
同様に、ツルツルに磨き上げることがコーティングの定着を良くするとは限りません。

実際には、研磨によって油分や汚れなどコーティングの定着を妨げる要因を取り除くことが重要です。
つまり「ピカピカに磨く」ことが定着率を上げるのではなく、「不純物を除去する」ことで定着率が上がるのです。


まとめ

  • 新車時の研磨は、油分などコーティング定着を妨げるものを物理的に除去することが目的
  • 洗浄で油分や汚れが十分に落とせるなら、研磨は必ずしも必要ではない
  • 美観をさらに向上させたい場合は、しっかり研磨してオンリーワンの光沢を出すのが良い

余談:下地処理を重視する方の注意点

下地処理が大切だと言う方の中には、

  • 油分の多い研磨剤を使っている
  • 季節に関係なく同じ施工法(温度管理や焼付処理を行わない)
  • 撥水性のコーティングしか扱わず、油分で磨いて撥水でごまかす
  • コーティングの定着と撥水効果を混同して説明する

といった矛盾も多く見られます。

コーティング・研磨作業工程について

代表的な作業を解説しております。

経年車の下地処理研磨技術について

経年車の下地処理は、主に「ディテール洗浄」と「塗装面の研磨」の2つの工程に分かれます。

1. ディテール洗浄

ディテール洗浄とは、ドアの隙間やホイール周辺、エンブレムまわりなど、普段の洗車では落としきれない細かい部分の汚れを徹底的に除去する作業です。
これにより、研磨前の状態を整え、塗装面に付着した異物が研磨時に悪影響を及ぼさないようにします。

2. 塗装面の研磨

塗装面の研磨は、ポリッシャーという専用の機械を使って行います。
研磨剤やパッドの種類、研磨工程の段階を適切に選択しながら、塗装表面の汚れや酸化、洗車キズ、シミなどを取り除いていきます。

研磨には、軽い磨きから複数工程にわたる本格的な研磨まで様々なレベルがあります。
経年車の場合、塗装の状態やお客様のご希望に応じて最適な研磨プランを提案し、塗装面のダメージを最小限に抑えつつ、最大限の美観回復を目指します。

研磨後の仕上がり

適切な研磨を行うことで、塗装面はクリアで深みのある光沢を取り戻し、場合によっては新車以上の輝きを実現することも可能です。
その後のコーティング施工は、この研磨で整えられた美しい塗装面を保護し、長期間にわたりその輝きを維持します。

【下地処理】研磨メニュー

研磨メニュー

新車時の研磨 経年車の研磨について詳しく書いております。

考え方について

削るから〇〇と言う表現は‥

塗装面の研磨を説明する際に、「削る」という表現がよく使われます。
特に、埋めるタイプの研磨剤(フィラー効果のあるコンパウンド)を使用する業者様からは、「塗装は有限で、一度削ると元には戻らない」という説明を受けることが多いです。

確かに塗装のクリア層は厚みが限られており、過度な研磨は塗装寿命を縮めるリスクがあります。
しかし、通常の磨き工程で用いられる研磨材は、塗装の最終仕上げ段階で使用する極めて微粒子のもの(一般的には6000番以上の超微粒子コンパウンド)が中心であり、塗装面の過度な除去はありません。

ここで重要なのは、「削る」というよりも「研ぐ(polish)」という行為であることです。
研磨とは、塗装表面の微細な凹凸や酸化層を除去し、光沢や透明感を引き出す繊細な処理を意味します。
研磨により塗装面の平滑化が促され、コーティング剤の密着性や美観が向上します。

言い換えれば、研磨は単なる「削る」行為ではなく、科学的かつ計算された塗装表面の再生処理であり、塗装を守りつつ最大限に輝かせるための技術です。

コンパウンドについて

お車を磨き上げるためには機材・液剤を使いこなさなければなりませんが、カービューティープロ札幌ドーム前の場合はカービューティープロライセンスを取得していることからPRO専用製品が提供されております。

カーメイキング札幌

また近年ではカーメイキング札幌様が調合した市販されていないコンパウンド「G2」を使用しております。

カーメイキング札幌様では、様々な技術及び液剤提供を行っておられますが、技術のない方には販売されません。しかし、札幌市及び北海道内のレベルを上げるため塾、スクール、修行コースを設定されており、より技術力を向上させたい方、コーティングのお仕事を行いたい方向けのコースがあるようです。興味があればご紹介させて頂きます。

コーティング屋さんと磨き屋さん、違いと見分け方

年数の経過した車の場合、コーティングを考えられることが多いかと思います。その際に肝心な事は下地処理(洗浄、研磨)をどこまで行うかが大切です。

カービューティープロ札幌ドーム前はコーティング屋さんでも磨き屋さんでもありません。カーディティリングプロショップです。