札幌市東区|ホンダ N-BOX EXE-ZERO7 コーティング施工記録 — 磨き痕改善・冬季対応温度管理

札幌市東区よりご入庫の ホンダ・N-BOX に対し、磨き痕が気になるというご相談を受け、塗装診断から丁寧な下地処理、そして新発売の EXE-ZERO7 セラミックコーティング を施工した記録です。本記事では 札幌市での施工事例として、工程・ポイント・仕上がりまでを詳しくご紹介します。
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■ お車について
- ご依頼エリア:札幌市東区
- 車種:ホンダ・N-BOX
- 主訴:磨き痕(オーロラマーク)を改善したい
- 施工目的:透明感・光沢・耐候性を向上させたい
- 使用コーティング:EXE-ZERO7(新世代プレミアムセラミックコーティング)
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先に完成動画を公開しております。
■ 施工前の塗装状態診断
ホンダ車特有の塗装特性(クリア層が熱を持ちやすい等)により、一般的な研磨手法では 磨き戻りや微細な曇り(オーロラマーク) が残りやすい特徴があります。専用ライトによる詳細な塗装診断を行い、最適な研磨プランを設計しました。


画像では確認しにくいのですが、全体的に高トルク型のポリッシャーの叩き傷が見受けられました。
■ 下地処理(研磨・塗装面の整形)
- 専用ライトで現状の🔍塗装表面確認
- 貼りつき対策/適切な研磨材の選定
- 段階的な研磨で微細傷・曇りを除去
- フラットで光沢ある塗装面を形成
この工程により、次工程のコーティング性能を最大化する土台を整えます。
ポイント
近年の塗装は以前より研磨が難しく、癖も多くなっています。
6~7年前から登場したルペスなどの高トルク型ダブルアクションポリッシャーにより研磨はしやすくなりましたが、シングルポリッシャーで仕上げた肌とは光沢に明らかな差があります。
とはいえ、研磨レベルはお客様のご希望や予算に合わせて決めるべきで、磨くことだけが全てではありません。
現在は人材不足もあり、高トルク型の機械が普及したことで、十分に研磨技術を習得できていない職人も増えています。
カービューティープロでも数年前からシングルアクションの指導は控えられており、そのためシングルアクションの仕上がりを知らない職人も多く、結果として仕上がりのイメージが下がる傾向があります。
2024年現在、2016年以降に業界参入した場合は特にこの状況に当てはまる可能性が高いです。
高トルク型は研磨の一手法であり、全てではないことを理解することが大切です。
■ 下地処理における「マスキング(養生)」の重要性について
非常に大切なマスキング処理

研磨・コーティング作業において、マスキング(養生)は仕上がりと耐久性を左右する極めて重要な工程です。
当店では施工前に、塗装の弱い部分・樹脂パーツ・エッジ部・ヘッドライトなどを徹底的に保護したうえで作業に入ります。
マスキングは単なる「保護」ではなく、
お車を傷めず、正しい研磨を行うための前提条件です。
■ コーティング施工時の「ヘッドライト保護」がなぜ重要なのか
ボディ研磨作業中、ボンネットやバンパー周辺では
バフが誤ってヘッドライトに接触するリスクが常に存在します。
この際、適切なマスキングがされていないと、
ヘッドライト表面のハードコート層を削ってしまう危険があります。
ハードコートは
- 紫外線
- 酸化
- 物理的ダメージ
からレンズを守る最後の防波堤です。
これを無自覚に削ってしまうと、
施工直後はきれいに見えても、**数年後に急激な劣化(くもり・黄ばみ・ひび割れ)**が進行します。
実際にヘッドライトリペアを行う中で感じるのは、
**「過去に他店で研磨された車両ほど、レンズの傷みが顕著」**という事実です。
私たちはこのリスクを重く受け止め、
施工前のヘッドライト保護を必須工程としています。
【ワイパー周辺・樹脂部の保護は“基本中の基本”】【新聞紙養生はNG】
ワイパー周辺、モール、樹脂パーツは
塗装よりもダメージを受けやすく、研磨時の事故が起きやすい部位です。
なお、
新聞紙での養生は推奨していません。
新聞紙は一見手軽ですが、
- エッジ部分で塗装を傷つける
- 水分を含むと逆に汚れを引き込む
といったリスクがあります。
本当に腕のある板金・塗装・コーティング職人は、
必ず専用のマスキング材を使います。
新聞紙養生が多用されている場合、
そこには「コスト優先」「工程短縮」の姿勢が見え隠れします。


■ マスキングの質が、施工の質を決める
マスキングは
「やっていれば良い」
「写真に写っていれば良い」
というものではありません。
- 適正な箇所に
- 適正な幅で
- 汚れのない状態で
行ってこそ意味があります。
当店の施工例を参考にされる業者も増えていますが、
マスキングの本質を理解せず、形だけ真似た施工も少なくありません。
雑な養生、貼り直しだらけのテープ、
ヘッドライト周辺を軽視した処理――
これでは本来の施工品質は担保できません。
■ 大切なお車は「資産」です
お車は単なる消耗品ではなく、大切な資産です。
たとえ少し手間がかかっても、
しっかりと養生することに“悪いこと”は一つもありません。
私たちは
目先のキレイさではなく、数年先の劣化を防ぐこと
を重視しています。
そのため、
下地処理前のマスキング工程にも一切の妥協はありません。
マスキングの考え方 詳しく
札幌市内でコーティング施工をご検討中の方
札幌市内でコーティング施工をご検討中の方は、
▶︎「札幌で後悔しないコーティング店の選び方(施工写真付き解説)」
も併せてご確認ください。
実際の施工写真をもとに、違いを解説しています。
■ EXE-ZERO7 セラミックコーティング施工工程
■ EXE-ZERO7 は他のコーティングと何が違うのか?
EXE-ZERO7は、深みのある濡れ艶・耐薬品性・耐候性を併せ持つ 次世代型プレミアムセラミックコーティング です。高性能を引き出すためには、下地処理と温度管理が重要な鍵となります。

セラミックプロ9H認定施工店専用「ナノプライマー」について
コーティング施工において重要なのは、液剤を塗る前の下地処理工程です。
その中でも、当店が重視しているのが ナノプライマー工程 です。
ナノプライマーは、セラミックプロ9H認定施工店のみが取り扱える専用下地処理剤で、以下の役割を担います。
- 塗装面の確実な脱脂
- 塗装本来の光沢を引き出す効果
- 塗装面とコーティングを結びつける「プライマー(定着剤)」としての機能
これにより、コーティングの密着性と安定性が大きく向上します。
なぜ札幌の冬に温度管理が必要なのか?
パネル温度は常温施工が必須
EXE ZERO7 の施工に際しては、パネル温度を“確実に常温へ戻した状態”でコーティングを塗布しています。

実はこの「常温を正確に確保する」という工程こそ、冬季施工では最も難易度が高く、適切に管理されていないケースが非常に多いのが現状です。
詳しくはこちら

施工後は カーボンヒーターによる焼き付け処理 を実施し、さらに店内の環境温度を 8時間以上、安定した常温で維持。
これにより、厳冬期であってもコーティング層を十分に硬化させ、安心してご納車できる体制を整えています。
一方、このプロセスを踏まない一般的なガラスコーティングやセラミックコーティングは、
夏場でも完全硬化まで 2〜3 週間 を要します。
厳冬期では硬化がほとんど進まないため、
・密着不足
・耐久性の低下
・ムラ・曇り
といった施工不良につながるリスクが格段に高まります。
しかし残念ながら、温度管理を軽視したまま「冬でも施工できます」と案内する施工店も少なくありません。
ここで重要なのは、
「塗ること」と「硬化させること」はまったく別の工程である
という点です。
コーティングは “塗れば完成” ではありません。
適切な環境下で確実に硬化させて初めて、本来の防汚性・耐久性・艶が発揮されます。
つまり、
冬の施工は可能でも、 “硬化” は別問題である
という正しい知識を知っていただくことが、
お車を長く美しく保つための、もっとも重要なポイントになります。

硬化型コーティングの「硬化」とは?
一般的に「硬化型コーティング」と呼ばれるものは、キーパーコーティングなどの乳化型ポリマー系コーティングとは異なり、「時間の経過とともに硬化(化学反応)して皮膜を形成するタイプ」を指します。
ただし、ここで言う「硬化」とは、あくまでも常温環境下で自然に定着・反応していくという意味です。完全な性能を引き出すためには、温度管理や加熱処理などの外的要素によるサポートが重要となります。
■ 温度管理と焼付け工程(札幌冬季対策)
コーティングの性能を最大化するため、札幌の冬季施工に適したプロセスを徹底しました:
- パネル温度の常温安定
- カーボンヒーターによる焼付け
- 焼付け後は 30℃ で 12時間のエージング保持
カーボンヒーターによる焼付処理




北海道のような寒く乾燥した地域では、ガラスコーティングやセラミックコーティングは温度や湿度の管理が特に重要。
当店では最新のカーボンヒーターを使い、熱を加える「焼き付け処理」を必ず行っています。これにより、寒い環境でもしっかりとコーティングが硬化し、耐久性や美しさが長持ちします。
エージング処理
焼付け処理後は、約30℃に保った環境下で12時間以上のエージング(安定硬化)を行います。これは、表面だけを急激に硬化させるのではなく、コーティング層全体を内部まで安定させるために欠かせない工程です。
特に札幌の冬季環境では、外気温が低い状態で自然硬化に任せると、硬化不足や性能低下の原因になります。当店では温度管理された室内でエージングを行うことで、EXE-ZERO7本来の耐久性・密着性・艶を最大限に引き出しています。
よくあるご質問|焼付け・エージングについて
Q. 焼付け処理だけでは不十分なのですか?
A. 不十分です。焼付けはコーティングの反応を促進する工程ですが、それだけでは内部まで安定した硬化状態にはなりません。焼付け後に約30℃で12時間以上のエージングを行うことで、コーティング層全体が均一に安定し、本来の性能を発揮します。
Q. エージングを行わないとどうなりますか?
A. 低温環境では硬化不良を起こしやすく、耐久性の低下やシミ・ムラの原因になります。施工直後はきれいに見えても、数ヶ月〜数年後に差が出るケースが多く、特に札幌の冬季ではリスクが高くなります。
Q. 短時間施工との違いは何ですか?
A. 短時間施工では、焼付けやエージング工程を省略、もしくは簡略化している場合があります。当店では施工時間を短縮することよりも、数年先の美観維持と塗装保護を優先し、必要な温度管理と時間を確保しています。
Q. 冬でもコーティング性能は落ちませんか?
A. 適切な温度管理とエージングを行えば問題ありません。カーボンヒーターによる焼付けと、温度管理された室内でのエージングを組み合わせることで、冬季でもEXE-ZERO7の性能を最大限に引き出しています。
コーティング施工で本当に大切なのは、液剤の種類よりも「考え方」と「工程管理」です。施工に対する当店の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。
■ 施工後の仕上がり
磨き痕がしっかり除去され、塗装本来の 透明感・光沢 が復元されました。EXE-ZERO7 の強い密着性により、保護性能・耐候性 と美観が両立した仕上がりです。










UPsさんによるお車の納車

大変丁重に扱っていただきましてありがとうございました。
アップスさんはこのような業者さんです。
あとがき
今回のホンダ・N-BOXの施工では、
単にコーティングを塗るのではなく、下地処理・マスキング・温度管理・エージングといった一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることを重視しました。
特に札幌のような冬季環境では、
「施工したかどうか」ではなく、
**「どのような環境と工程で施工したか」**が、数年後の状態に大きく影響します。
当店では、
・必要なところはしっかり磨く
・守るべきところは徹底して養生する
・性能を引き出すための時間と温度を惜しまない
という考え方のもと、
目先の仕上がりだけでなく、長く安心して乗れる状態をつくることを大切にしています。
これからコーティング施工をご検討されている方にとって、
本記事が「お店選び」「施工内容の見極め」の参考になれば幸いです。
札幌市内・近郊でのコーティング施工について、
ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
お車はすでに出庫しております。詳しくはこちらをご覧ください。当店の考え方です。
セキュリティについて
当ブログでは、施工履歴を掲載することで、ブラックボックス化しがちな車業界を少しでも透明化し、お客様との相互理解を深めることを目指しております。ただし、掲載している記事はリアルタイムではありませんのでご了承ください。
洗車セットを使われますと良い状態が長続きしますので、ご活用いただければ幸いです。
コーティング施工後のケアについて
洗車セットで、キレイが長持ち!
当店の洗車セットをお使いいただくことで、コーティングの美しさと効果を長く維持することができます。ぜひ一度お試しください。
ガラスコーティングやセラミックプロは、WAXやポリマー系のコーティングに比べて耐久性が高く、長期間にわたって車を保護できるのが特長です。ただし、撥水・親水といった効果は、紫外線・酸性雨・水道水に含まれるカルキや塩カル(融雪剤)などによって、徐々に低下してしまいます。
そこで活躍するのが、専用メンテナンスキットです。洗車時にこのキットを併用することで、本来の撥水・親水性能をしっかり取り戻すことができます(※撥水・低撥水タイプに対応)。
以下の使用方法を参考にしていただければ、ご自宅でのケアだけで、キレイな状態をしっかり保つことができます。
料金・施工内容のご相談はこちら
お車の状態を確認したうえで、最適なコースをご案内します。



