【施工環境】非常に大切な厳冬期における札幌及び北海道でのコーティング施工温度・湿度について ジェットヒーターは湿度が多すぎコーティングには不向きです。

スタンダードガラスコーティング「PCX-V110」施工時間

初期硬化の考え方

常温時(20~26度前後) 塗布より拭き取りまで約20分

冬季間 30分以上 硬化を確認しながら5分ごとに確認する事

※室温及びパネル温度16度以下ではひと晩置いておいても加水分解、脱水縮合(固まりません)

拭き取り後2時間は水に触れてはいけない(常温)



対策 

—初期硬化まで—

パネル温度を常温まで上げる必要がある(温水による洗浄)

施工環境を常温まで上げる必要がある(冬の場合)

施工環境を常温まで下げる必要がある(夏の場合)

この際、温度と湿度で硬化するので、ジェットヒーターなど大量に灯油を消費する暖房器具を使う場合は初期硬化不良になる事多いので適正な湿度になる機材が必要、また床面も防水処理を行い湿度が多い環境を改善する必要がある。

—ここまで—

本硬化

常温で2~3週間を要しますが、この時が不安定な皮膜になりますので塩カルや鳥フン、酸性雨などの受けやすい状態と言っても過言ではありません。

常温で2~3週間で本硬化なので、氷点下では?

なので

カーボンヒーターによる焼付処理、及び24~5度のエージング時間を設け本硬化させて出庫する。

—ここまで—

室温について

温度管理

コーティング作業において温度、湿度管理は非常に重要です。ガラスコーティングは気温16度以下では加水分解、脱水縮合(固まりません)が出来ませんので施工依頼は注意が必要です。

特に屋外もしくはシャッター開けっぱなしやビニールカーテンでの外気導入、大型の工場では芳しくありません。

例えばヒーターを使用して焼付け処理を行っても、ベースであるコーティング施工時に室温、パネル温度が低いと定着及び初期硬化が十分にできません。

何を目的にしているのか?その一歩先を考えなければなりません。文章はしっかり読む事を心がけましょう。また、行わない理由を考えるのは簡単です。しかし行う事を考えるのは面倒なのですよ。

施工スペースの天井

施工スペース決定にあたり次の事を考えました。
〇大型工場ではない事。
〇天井が2500㎜以下
これは、暖かい空気は天井に上がり厳冬期に温度管理が出ないからです。

2月の外気温マイナス10度

室温24度の場合、パネル温度は20度以上、ここで大事なのがルーフは何度あるかです。

画像では天井が41度ですね。暖かい空気が上に上る事を想定した高さなのです。夏よりも硬化時間が早くなります。

施工時の作業場、天井の温度 27℃

この様にコーティング施工する際は作業時の温度湿度はもちろん、施工車両のパネル温度も大切ですので、施工順番エージング時間が夏とは違う手法を用いる事が必要です。

※天井の温度は当然高くなります。

ボンネット 約25℃

高い場所であるルーフは当然 温度は高めの傾向

いっぽう下部は温度が低めです。

いかがです?

どの順番で作業を行うか一目瞭然かと思います。

施工スペースの温度は何でも上げればよいと言うものではありません。

湿度も重要なファクターです。

更にカーボンヒーターによる熱処理

ガラスコーティングの種類によっては、完全に硬化するまでに約2週間から1ヶ月ほどかかるものもあります。この間、コーティング皮膜は自然環境の影響を受けやすく、ダメージのリスクが高まるとされています。

そのため当店では、これまでオーバーコート剤を塗布し、室温を上げて時間をかけながら初期硬化を促進する方法で対応してきました。しかし、この方法は季節や天候に大きく左右されるため、納車までに時間がかかりすぎるという課題がありました。

そこで新たに導入したのがカーボンヒーターです。

ジェットヒーターは本当にコーティングに適しているのか?

単に暖めるという目的であれば、工場などでよく使用される「ジェットヒーター」が一般的です。しかし、このヒーターは自動車のガラスコーティングにおいては、実はあまり適していません。

というのも、ガラスコーティングは「加水分解」と「脱水縮合」という化学反応を経て、ガラス質へと転換・硬化していきます。この過程で湿度の影響を大きく受けるため、湿度が高い環境では硬化不良や白濁が発生する恐れがあります。

実際、施工後わずか数週間で白い雨染みのような跡が見られる場合、その原因は加水分解・脱水縮合の不良による可能性が考えられます。

灯油を燃料とするジェットヒーターは、燃焼時に**二酸化炭素(CO₂)と水蒸気(H₂O)**を発生させます。特に水蒸気は室内の湿度を上昇させる要因となり、施工環境としては望ましくありません。

※灯油1リットルの燃焼につき、約1リットルの水(=水蒸気)が発生するとされています。

コーティングの仕組みを正しく理解していれば、ジェットヒーターの使用は避けるのが一般的です。しかし、現場では意外と多く使用されているのが実情です。

湿度の影響を防ぎたい場合は、FF式ファンヒーター(室外から吸気し、排気も室外へ排出するタイプ)を用いる必要があります。これにより、燃焼ガス中の水蒸気を室内に持ち込まずに済みます。

つまり、灯油を直接燃焼させて室内を加熱するジェットヒーターは、ガラスコーティング施工には不向きだといえるのです。



工場などでよく使用されるジェットヒーターは、温度調整という点では非常に効果的ですが、燃焼時に湿度を上げてしまうという大きな欠点があります。

この湿度の上昇は、ガラスコーティング施工にとっては非常に悪影響を及ぼします。湿度の高い環境下で施工を行うと、初期硬化が不安定になり、施工後数週間でコーティング表面にスケール(白い付着物)が発生・固着してしまう恐れがあります。

このような状態では、短期間でのメンテナンスが必要になってしまい、本来の性能や美観を長く維持することが困難になります。

そのため、施工時の環境管理には十分な注意が必要です。特に冬場や寒冷地などでジェットヒーターを使用する際は、湿度の管理を徹底するか、代替の加温方法を検討することをおすすめします。

【湿度管理の要:床面の防水処理】

先述の通り、ガラスコーティング施工において「湿度」と「温度」の管理は非常に重要です。特に湿度の管理において、**見落とされがちですが極めて重要なのが「床面の防水処理」**です。

施工現場の床がコンクリート打ちっぱなしの場合、水分が床面から徐々に蒸発し続けるため、空間全体の湿度が高く保たれやすい傾向にあります。特に気温が低い環境下では乾燥にさらに時間がかかり、結果として施工に不適切な湿度環境が長時間続いてしまう恐れがあります。

このような状況では、初期硬化不良やスケールの付着など、施工品質に悪影響を及ぼすリスクが高まります

したがって、湿度を安定させ、理想的な施工環境を整えるためには、床面に対する確実な防水処理が欠かせません。施工前には、床の状態や湿気の有無を十分に確認し、必要に応じて防水材の塗布やシートの設置など、適切な対策を講じることを強く推奨します。

結露について

【重要なお知らせ:施工環境の確認と誤情報にご注意ください】

コーティング作業において、温度・湿度の管理は非常に重要です。特にガラスコーティングは、気温が16℃以下では加水分解・脱水縮合が正しく進まず、硬化しないため、適切な環境下での施工が絶対条件となります。

しかし最近、当社が使用している技術文言や施工画像を無断で流用し、十分な技術や設備がないにも関わらず、高品質施工をうたう事業者が存在しています。画像を拡大して確認すればわかるように、施工品質は非常に低く、お客様にとっても大きな不利益となりかねません。

このような背景もあり、お客様ご自身による現地確認の重要性がかつてないほど高まっています。

特に**冬場や寒冷地では、室温16℃を安定して保つことは簡単ではなく、施工環境が基準を満たしていない可能性もあります。**大型工場であっても暖房設備が不十分な場合が多く、施工品質を保てないにも関わらず、誤った情報を発信しているケースも見受けられます。

くれぐれも「文言や写真だけを鵜呑みにせず」、実際に施工現場へ足を運び、設備・環境・技術をしっかり確認された上で依頼されることを強くおすすめいたします。

健全な業界のためにも、正しい知識と意識をもって選んでいただけるよう、今後も情報発信を続けてまいります。

【夏場の施工環境にもご注意を】

冬場の施工温度に関しては広く知られるようになってきましたが、実は「夏場」もコーティングにとっては過酷な環境となる場合があります。

近年では、北海道でも気温が30℃を超える日が珍しくなくなってきました。人間は多少の暑さを根性で乗り切れるかもしれませんが、コーティング剤はそうはいきません。
高温環境下ではコーティング剤の揮発が早まり、塗布ムラや硬化不良、密着不良などのリスクが高まるため、やはり適正な温度管理が必須です。

当店 カービューティープロ札幌ドーム前では、動力電源対応の業務用エアコンを2台導入し、施工ブース内の温度を年間通して適正に保つ体制を整えています。
これにより、真夏・真冬を問わず、常に安定した施工品質をお客様にご提供できる環境が整っています。

施工依頼の際は、「どんな環境で施工しているか」も業者選びの重要な判断材料となります。
見た目や価格だけでなく、施工技術と環境管理体制がしっかりしているかを確認した上でのご依頼をおすすめいたします。


これ非常に大切な事なので、施工を検討の方必見ですよ。