【技術 】塗膜計測のための膜厚計 本当と嘘
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膜厚計について
研磨を行う際には塗装の状態を把握するため、膜厚計で塗装状況を把握し適正な機械と液剤を選定、有限の塗装面を磨きすぎる事(過研磨)の無いようにしています。
計測についてウソホント
サンプル車両
マツダ・CX-5(クリスタルホワイトパールマイカ)
ボンネット 70μm
研磨を行いコーティングを施工したところ
なんと!6μmも上がりました!
驚くべきハイクオリティ、高性能のコーティングです!
凄いですね~
でも実は
何もしていないんです。
マスキングを行った部分を計測すると、微妙に動いただけで変化します。
この辺は73μm
ここは76μm
この様に塗装面は約5~10μmは差があります。1mm=1,000μmなので10μm程度は誤差です。
では、なぜ膜厚計が必要なのか?
上記のCX-5で考えるならば約70μmの塗装、クリアー部分は約30%と想定します。
つまり21μm
研磨で行えるのはこのクリアー部分です。
通常の洗車傷で約4μm程度と言われておりますが、除去するためには5μm研磨をすればいいのです。
約5μmの研磨では4回も行うと下地が出てしまう可能性があります。
この事からお客様にいつコーティングされたのか?をお聞きし残量を想定しているのです。
ちなみに、塗装業の友人のお話では公共事業の塗装の場合、10回計測して平均値を提出するとの事ですので、あくまでも目安として考えるのが良いと思います。再塗装されていることも分かりますしね。
まとめ
塗膜計測のための膜厚計はコーティング業においては単なる目安です。それは塗膜全体を計測するからです。
しかし一般のお客様は意味は理解しても実用部分は良くわからないかと思います。
今回紹介した計測についての様に、膜厚が厚いコーティングと思っても実態は何もやっていない。こんなケースが散在しますので注意が必要です。
中には膜厚計を所持していないにも関わらず10μm研磨したとか嘘を言う業者もあります。
10μmなんて磨きません。と言うか正確には計測できません。
勘の良い方なら気が付くと思いますが、端数のない数字って適当に思いつくからの表記なのです。
下記の関連記事は「膜厚計を所持していないにも関わらず10μm研磨したとか嘘を言う業者」を見抜くための記事になります。