2020/6 先日のタイトル「セールストークに振り回されないようにして下さい。」の結果が出ました。BMW・M35
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ご相談内容
ガソリンスタンドで洗車を行った際に
「コーティングが効いていないので鉄粉が付着している!」
「鉄粉除去を行ってコーティングを行った方が良い」
との不安からのご相談でしたが、実際にお車が入庫しましたので見解を述べさせて頂きます。
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入庫時の撥水テスト
こちのM35にはカービューティープロ純正コーティング「PCX-S8」を使用しておりますので撥水タイプになります。
通常、ひと冬を越せば塩カルなどのアルカリ性に撥水基が攻撃され接触角が鈍化する場合や、コーティング表面に汚れの固着により撥水が弱くなることがありますがまだまだ良い状況です。
コーティング大まかに言いますとこの様な水流れがあります。
これをコーティングの機能と言いますが
コーティングの機能について
撥水
水玉コロコロ
低撥水
撥水と親水の中間
親水
水が弾かない
何故水の流れが違うのか?詳しくはこちら
私共の専門店では、様々なお客様の環境、ニーズに合わせて数種類のコーティング資材を使い分けておりますが、一般的にはコーティング=水玉コロコロと認識されております。
コーティング=水玉コロコロ
これを主とした考え方であるならば、上記の撥水テストの状況はコーティング効いていないと言えるものでありますでしょうか?
「コーティングが効いていないから鉄粉が付着している」
パッと見は普通ですが
拡大すると平面部に確かにぶつぶつ感があります。
これはお電話でお話しさせて頂いた通り黄砂の固着です。
原因
—-黄砂について—-
黄砂は飛散していく過程で大気中の様々な粒子を吸着し、化学反応を起こしており大変複雑な組成となっております。
そのために発生源によって、組成が異なることはもちろん、飛散するルートによっても組成が異なっており
黄砂の粒子を触媒として、大気中の硫酸アンモニウムが湿気によって黄砂に吸着し、黄砂に含まれるカルシウムがアンモニアと化学反応し、硫酸カルシウム(石膏)に変化することがわかっています。
また、発生源とされる地域を区分し、それぞれの黄砂に含まれる成分を分析したところ、1つの地域ではケイ素が最も多く含まれており、別の地域のサンプルでは二酸化ケイ素が多い等、それぞれに異なった特徴を持っています。
資材屋さんより引用させて頂きました。
毎年、春には黄砂が目立ちますが、本年は異常なほど塗装面の固着が目立ち通常の洗車では除去出来ないケースが非常に多いですし、屋外駐車はもちろん新車で納車ホヤホヤのお車にも目立つ傾向です。
次に鉄粉の反応を見てみましょう。
鉄粉の反応
鉄粉の付着はブラックサファイアには目視では判りにくいですが、前後タイヤの後方とリアゲート ナンバープレート付近に少々固着しておりましたが、これは使っている以上当たり前です。
鉄粉除去剤は一般的に使われている製品の約5倍の濃縮度
ジェル状により流れが少なくより効率的に車体へ留まります。
除去剤使用後10分経過しても鉄に反応した紫色が流れがほとんど無い
ちなみに下記関連記事はJR沿線に駐車されているお車
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一瞬でこの様に変化します。
反応が良く判るかと思います。
この車両の場合は素手で平面部を触ってもザラザラ感はほとんど感じません。
粒子が細かいからです。しかし鉄が融雪剤により錆びて黄ばんでおりました。
検証の結果
「コーティングが効いていないので鉄粉が付着している!」
撥水状態は良好
鉄粉ではなく黄砂
「鉄粉除去を行ってコーティングを行った方が良い」
鉄粉と黄砂は異物と言う点では同じですが
粒子の大きさの違いがありますし、何よりも別の物でありますので適した施工法が必須となります。
誤った対処法を行うとこの様な状況が想定されます。
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黄砂に反応するクリーナーにより塗装面を傷つけないよう溶解処理
反応すると白い煙の様なものが漂います。
コーティングを行っても異物の固着は避けれません。
ただし、鉄粉に関しては
コーティング未施工車の場合は、冬季2週間で固着すると言われておりますので毎週の洗車で最低限度に抑えることが出来ます。
コーティング施行車の場合は、冬季3週間で固着すると言われておりますので2週間毎の洗車で最低限度に抑えることが出来ます。
黄砂も洗車しか対応が無いのですが、本年の場合は異常に固着が目立ちますので、比較的洗車を行うお客様でも平面部の固着は避けられないように思えます。
ただし、施工時の温度16度以上で施工された場合です。
【施工環境】非常に大切な厳冬期における札幌及び北海道でのコーティング施工温度・湿度について ジェットヒーターは湿度が多すぎコーティングには不向きです。
次にお客様との会話で気が付いた点ですが
洗車チケットを大量に購入
沢山買う事によるボリュームディスカウント
お客様側にはメリットがありますが、お店側には短期で売り上げが上がったように感じますが、実はこれ前受け金ですので負債勘定になります。
負債勘定は使って頂く事で減っていきますが、時間が経つにつれて精神的には作業は行いたくなくなりますので、この様なチケット販売の場合は期限があるケースが多く、また店舗閉鎖、会社が倒産となった場合はただの紙切れとなる可能性も高い。
またディスカウントしている事で、使えば使うほどお店の負担になりますので経営が苦しくなります。
次に販売方法ですが「半年に1度のノルマを課せられている点」
この様な状況では乱売となり、その物の価値すら下がってしまいます。
ディスカウント、ノルマ乱売=長期で見た場合経営が苦しくなる。
なのでコーティングを勧める。
セールストークについて
※セールストーク「ニード喚起」
「コーティングが効いていないので鉄粉が付着している!」
結果:撥水状態は良好
「1年経っていないのに信じられない」
この様なトークから、お勧めしているコーティングは1年は異物が付かない、撥水も弱らないと保証してくれるのでしょうか?
その前に「コーティングが効いていないので」を立証して頂ければと思います。
※セールストーク「改善策の提案」
「鉄粉除去を行ってコーティングを行った方が良い」
検証の結果:鉄粉ではなく黄砂
※セールストーク「クロージング」
さらにコーティング施工に関しては、特別に安くするとのお言葉も頂いたようで金額は研磨有(環境・設備・技術による)では信じられないプライス。
あなただけ特別はクロージングの締め言葉、
定価を高くする事によって、実際にはすべてのお客様へのトークが多い。
これ組織全体で行っているなら公正取引委員会の注目の的ですね♪
でも、ここだけの話なら正規料金を支払ったお客様を馬鹿にしております。
ここで注視して頂きたいのが「安くする」のトークです。
先の洗車チケットもノルマがあるとの事でしたので、コーティングもノルマがあるのでしょうか?
ちなみに安くするを口癖のように使われるトークの一例です。
大変申し訳ありませんが安くするではなく「正規の価格」ではないでしょうか?
あなたの労働に対する対価ですよ。残念ですが自身が良く知ってらっしゃる
元ガソリンスタンド従業員の方からの意見
この記事に関してはフェイスブックにも元ガソリンスタンド従業員の方からも意見が上がっております。
https://www.facebook.com/pro.sapporo/posts/2950364978352821
2020/6/21 記事参照
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投稿者コメントありがとうございます。実は私も東京ですがガソリンスタンド勤務していた時期がありますので良く判ります。ただ私の場合は20年も前の話ですので、従業員に対する圧力は自分の時以上、強烈と感じました。しっかり勉強を行い、しっかりと作業すればお客様は増えていくと思いますが、それでは収益が許さないのでしょうね。
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カービューティープロ 札幌ドーム前様
まさに自分は「種を蒔き、水をやり、キチンと育てて収穫する」という販売手法でした。
しかしそれでは上司から「あと一押しで売れただろう!!何故売らないんだ!!!貴様はサボっているのと変わらんぞ!!!」などと物凄い叱責を受けるのです…仰る通りちゃんと勉強して、研鑽を積み重ねていけば自然とお客様は着いてきて下さるのですが… -
大変な時期を過ごされたのですね。セルフ化が進みフルサービスのお店が少なくなりましたが、その様なノルマからも信頼性を失っているのでしょう。これが保険業であれば「かんぽ生命」の問題と一緒です。
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カービューティープロ 札幌ドーム前まさにその通りですね…今考えるとゾッとします…
どの様に感じられるかは千差万別です。
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