2025/2 日産・セレナ 左スライドドア傷の研磨・部分コーティング
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新車で購入、約半年経過
気が付いたら左スライドドアに傷があり、気になってこすったら余計目立つようになった。
ディーラーさんに相談したところ、しっかり治すには塗装が必要
しかしながら、微妙なキズなので磨けば目立たなくなる可能性がある。
この事から当店へ相談にいらっしゃいました。
画像のマスキングに沿って傷があるのですが
この傷、下地が出ていないキズなのでパールホワイトカラーという事もあり、日中は見えにくく、その傷を何とかしようとコンパウンドでこすった部分が白ボケしてよけいに目立っている状況でした。
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このようなラインで深めのキズがあります。
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膜厚計を使い、塗装の厚さを経験と勘に頼らず、可視化してイメージを膨らませます。
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120μmもあれば、それなりの研磨は出来ることを確認
傷は2か所あり、下側は比較的浅めなので研磨によりほぼ除去完了
上側は深すぎるので、余命を考えて研磨を行いました。
完全除去すると下地が出ますので、光の加減では見えるかと思いますが、日常使用では判らないと思います。
当該車両は日産ディーラーさんで新車コーティングを行っておられましたので、その特性に近いコーティングをチョイスし、研磨した部分を当店のPCX-S8 スタンダードガラスコーティングを施工
ページコンテンツ
コーティングに大切な施工温度
コーティングは塗れば良いと言うののではありません!
化学変化で硬化していく製品ですので、その変化を起こすための温度 16度以上にパネルを温める必要があります。
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施工温度について
カーボンヒーターによる焼付処理
その後、カーボンヒーターによる焼付処理を行い、完全に硬化させます。
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詳しくは下記のブログカードからリンク先をご覧ください。
同じ名称のコーティング材でも、施工温度、湿度、熱入れによって120%性能を高めることが出来ます。
何を求めているのか?お店としてどのように考えているかの差となります。カービューティープロ札幌ドーム前は「行う理由」を考えます。
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画像の様にカーボンヒーターによる熱入れは気温の低い北海道では当たり前の作業工程と考えます。
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お盆が過ぎてから気温はどんどん下がって来ており、常温ではガラスコーティング・セラミックコーティングいずれも硬化不良の原因になります(硬化は通常常温で2~3週間)、そのために水さえ弾けばガラスコーティング等と言う洗脳がまかり通ります。
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油分があれば水は簡単に弾きます。
コーティングを施工される場合は、温度管理の徹底、カーボンヒーターの有無を必ず確認してください。
ポイント
各コーティングメーカーは採用されやすいように熱入れ不要、冬型等、作業を簡素にしたタイプのコーティング資材を開発されてはおります。
しかしそれは販路拡大のための戦略であり、決して資材が低温施工に向けてと言う訳ではありません。
※資材メーカー担当者の本音として「ヒーターなどの設備が必要とすると使ってもらえないから」とよく耳にします。
また、ほとんどの製品が熱帯地方で開発されてる事から氷点下についてはマニュアルを見ても詳しくは書かれてはいない。(セラミックプロは開発はロシア、グロスコートは-40度のモンゴルです)
しっかりした考え方を持つカーディテイリング業に携わる者は、メーカーの売り言葉をそのまま行う事はありえません。
メーカーが不要とは言っても、しっかりと温度管理を行い熱入れする事が様々な検証から必須と考えます。(行わない理由ではなく行う理由を考えると言う事です)
カービューティープロ札幌ドーム前の考え方
物事は複雑です。
コーティング屋さん
コーティングを塗ればOKと考え、温度などの環境はあまり考えない
※撥水タイプのコーティングしかラインアップにない場合はほぼこの考え方。
撥水=コーティングと言った誤った考え方
磨き屋さん
磨く事をコーティングと考えてしまうので温度管理などはあまり考えない。
カービューティープロ札幌ドーム前と通常のカービューティープロ施工店の違い
「 カービューティープロ」を名乗るためには「カービューティープロ スクール」を卒業しなければ名称は元より、「米国BAF社製液剤」を使うことも出来ません。
営業形態は中古車業、板金塗装業の併用当店の様な専門店と各店舗独自で自由に展開しておりますので制限のあるフランチャイズではありません。
卒業すれば自由に事業展開できるのが魅力ではあります。またお客様側で見れば全国展開しているコーティング店の様に見えるかもしれませんがコーティングに対する考え方は営業を開始してから複雑に変わります。
様々な考え方がありますので、どれが正解と言う事はありませんが、カービューティープロ全体としてみれば磨き屋さんです。
磨き屋さんとは
磨くことには特化しておりますが、温度管理、焼付け処理等、コーティングの+性能を生かす施工はあまり行わない。
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これはWAXからコーティングへの転換期(平成の初めくらい)から、キレイにすることがコーティングと言う概念にとらわれて続けているからです。
磨く事=コーティング等
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多様化した現在はこの様に考えます。
キレイにすること=下地処理
保護する被膜を作る事=コーティング
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新しいお車と使用されたお車の状態が違うので、この様に細分化されて当然であり、塗ればコーティングいう単純なな考え方では無く、その被膜をどのように定着させるのかと突き詰めるようになります。
突き詰めれない場合は
キレイにすること=コーティング
磨く事=コーティング
この様に時代錯誤とした考え方に凝り固まってしまい、コーティングの性能を生かす切れない場合が多いと思います。
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きれいにしてコーティングは屋根の塗装でも車の塗装でも当然ですが、キレイにすること=コーティングではありません。別工程です。
しかしながら、業界歴も20年を超えると、様々な現場ではこの様な考え方で止まっているケースを目にします。
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お客様のニーズは何か?
キレイにしたいのか?
保護が目的か?
それに対応するのが当然なのです。
カービューティープロ札幌ドーム前としてはカービューティープロライセンス以外にセラミックプロ9H認定施工店の認定資格があります。
その「セラミックプロ9H認定施工店」とは
日本総代理店のカーメイクアートプロの認定施工店でなければ取り扱う事の出来ないコーティングですが、特に北海道では施工店会副会長「車の119番様」が認定しなければ取り扱いが出来ませんのでさらにハードルが高くなります。
- 認定施工店の基準
- ①コーティング施工ブースを完備していること(隔離された環境)
②遠赤外線乾燥機を導入している
③信頼があるコーティングプロショップであること
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最低この3つをクリアしていなければセラミックプロ9Hを取り扱うことは出来ません。
カービューティープロでは下記の店舗が認定施工店になります
他にもコーティングに特化した店舗はありますが、ここでは割愛致します。
上記の通りコーティングをより定着する、より効果を出す事を考えると適正な環境、設備が必要です。
コーティング施工環境について詳しく
施工する環境
作業ブースが16度以上
塗装面温度が20度以上
湿度(結露)対策
ジェットヒーターは使わない
ダルマストーブもNG
深夜の温度管理の徹底
カーボンヒーター及び短・中・長波 遠赤外線ヒーターによる焼付処理
※甘焼きは初期不良を招きます。
これをしっかり行う事が大切です。
またカーボンヒーターには様々な形がありますが、高性能な物は形が変わったり、タイマーがあったりと板金塗装業の方が温めるのには最適です。しっかり熱入れする場合はシンプルイズベストが求められます。