傷を埋める、または目立たなくするガラスコーティング?
「近年傷を埋める、または目立たなくするガラスコーティングがある」とお客様より耳にします。
例えば昭和40年代の、いわゆる旧車をオリジナル塗装で乗りたいや、研磨に抵抗がある方は好まれると思います。当店もお客様の望む姿への引き出し量という点では考えなければなりませんし導入も検討しております。
もちろんお客様に説明を行い、理解していただくことが最重要です。
当店のガラスコーティング剤は何も助けてくれません。
施工が難しく時間のかかるものは濃度が高く、塗装面そのままです。
つまり下地処理が大切ということです。
ガラスを簡単に考えると無色透明ですよね?
カービューティープロ115吉野様のブログに面白い話題があります。
さて、お話を戻り傷を埋めるガラスコーティングですが具体例をお見せしましょう。
【経年車】5年ほど前に5年耐久タイプの多層コーティングを施工されたとの事
こちらの車両、レクサスGSですが、新車で購入され数年経ったところでコーティング施工を依頼され「5年耐久タイプ」を施工されたとの事。
施工時はピカピカして美しかったそうですが、日が経つにつれて画像のような状態に‥
洗い方とも思ましたが、もし洗車でこの様な状態にするにはタオルでゴシゴシ拭いたとか洗車ブラシのような物で洗ったと想像しますが、よく聞いて見るとそんなに悪いわけではなく‥
[post id=”3775″ style=”thumbnail”]
環境や洗い方も考えられますがほとんどはバフ傷(磨き痕)
埋めるタイプの研磨剤でバフ傷を目立たなくしたように思えます。
そこへ埋めるタイプのコーティングで傷を更に隠蔽。
一旦はピカピカになったものの、日が経つにつれ、酸化・劣化により隠蔽効果が薄れ徐々に痕跡が出現したのだと考えられます。
研磨は様々な考え方がありますが、埋めるコンパウンドと埋めるコーティングをされる場合もありますので注意しましょう。もちろんお客様が希望されればですが、技術力とは違い考え方ですので‥
アウディ・RS3
[post id=”37504″ style=”thumbnail”]
この手のコーティング剤は施工時は良いのですが時間とともに細かいスケールが目立ちます。当店のコーティング剤もスケールは付着しないという事はありませんが、もう少し緩いというか、ここまで固着する事は皆無です。
おそらく‥
窓も強烈なスケールが目立つのでインパクト重視なのでしょう。
新車時にWと言われる2層式コーティングを行い毎年メンテナンスされていたそうです。
新車で購入したお車をそのままコーティング施工。毎年のメンテナンスは欠かさず行っており、5年経過した所から再施工を行った所、仕上がりがあまりにも汚すぎクレームが発生したとの事。
こちらのお車、実はコーティングしたばかりとの事で驚きました。
撥水はメチャクチャしてます。が小傷と水シミが多すぎます。
この場合の問題点ですが、
お客様は5年経過したことでリセットのつもりでコーティングをお願いした。
しかし、現状はシミや汚れの上にコーティングを施工された。
クレーム発生
お店側の説明不足と考えられます。
お客様と相談させて頂きまして、長くキレイに乗りたいとの事なので外装を可能な限り小傷を除去しガラスコーティング行う事になりました。
5年経過するとごまかしは効かない典型的な見本です。
[post id=”3821″ style=”thumbnail”]
この研磨作業ですが、あまり磨けない機材で時間をかけて作業を行うケースが多くなってきてます。
磨けない機材ですので時間が掛かって当たり前ですが、なぜなのでしょう?
弱い機械は危険が少ないからですが、意匠は向上はしません。
つまり時間をかけて油分の多いコンパウンドで塗装面の傷を埋める手法です。
それはそれで一つの方法ではありケースバイケースですが、それだけでは技術ではありません。
勘違いされている場合が非常に多いのです。
画像での研磨技術の見極め方 傷をスポットライトで撮影し、アフター撮影でスポットライトを消してしまうケースもありますので注意が必要です。
油分またはポリエステル樹脂が含まれるコンパウンドで研磨は致しません。
※油分の特徴
1,ヌルテカ=油分なので力率の弱い照明で撮影される場合は傷を隠蔽しその場ではきれいに見えます。(磨く事を削ると言うケースの使用が目立つ)
2,低撥水、親水タイプの場合、水が弾いてしまうので使いません。
過去記事ですがBMW ホワイトの参考例です。
[post id=”28962″ style=”thumbnail”]
お店選びの際は、撥水タイプしか取り扱っていない場合はこの項目に当てはまりますので研磨にはあまり期待されない方が良いでしょう。親水、低撥水タイプを取り扱っている場合は研磨は良いと考えます。
関連記事
下地処理研磨技術について
下地処理
画像での研磨技術の見極め方
画像での研磨技術の見極め方 傷をスポットライトで撮影し、アフター撮影でスポットライトを消してしまうケースもありますので注意が必要です。
削る
コンパウンド
油分でごまかす研磨は致しません。
弱い機材で時間を掛けて油分を塗り込む手法!それはそれで一つの方法ではありケースバイケースですが、それだけでは技術ではありません。勘違いされている場合が非常に多いのです。
※油分の特徴
ヌルテカ=油分なので力率の弱い照明で撮影される場合は傷を埋めきれいに見えます。が、油分はすぐに取れます。
油分に頼らない研磨を行うとガラスコーティングは冷たい光沢になります。
まとめ
近年磨けない職人さんが増えつつあります。
上記で説明している【コーティングの考え方】
1、単なる収益の一環か?
主に出張にて中古車販売店及びディーラーでの作業が多く、屋外での作業やシャッター開けっ放しでの光景を目にする機会が多いです。
2、コーティングを主体に考えるか?(コーティング屋)
ガソリンスタンド等の屋外での施工、もしくは簡易的な施工店が多いので研磨レべルが低く(収益の為行わないケースもあります。)照明には力量もこだわりもありません。
3、下地処理を主体に考えるか?(磨き屋)
磨きだけを考えコーティングの概念をあまり考えない。コーティングの施工性重視
4、お客様のニーズに合わせた下地処理、コーティングを考えるか?(ディティーリングショップ)
当店はもちろん4番です。
埋めるタイプ(隠蔽)を使用される場合
これも時代のニーズかもしれませんが、埋めるタイプ(隠蔽)を使用される場合は「有限である塗装を削ることで2度と元には戻らない」と説明されるケースが見受けられます。
確かに幅広く見ればその通りではありますが、塗装状況に合わせた研磨を行っているのか疑問に思えます。しかし真実は次の通りだと思います。
1、技術力が無く、そもそも磨けない
磨けないので、あまり磨かない為の口実として「削る」と誇大に表現。また「どれだけ塗装に負担をかけずに、傷を消すことが出来るか。」など耳障りの良い言葉を使われます。
撥水タイプのコーティングしかラインナップにない場合は、ほぼ当てはまります。
[post id=”1870″ style=”thumbnail”]
2、時間の節約
某大型量販店の利益率の解説を拝見した所、とある販売店では全国1番になった原因として磨きを止めたからと記載されておりました。磨くことで時間のロスが発生するので1日1台の磨きを止め、塗るだけの仕事を1日4台受けたそうです。
コーティング施工で大事な事
コーティング屋さんと磨き屋さん、違いと見分け方について
【コーティング屋さんと磨き屋さん、違いと見分け方】カービューティープロ札幌ドーム前はカーディテイリングプロショップです。