【施工環境】コーティング施工にとても大切な特殊照明について
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コーティング施工で大切な照明
研磨の際の照明は塗装面を見る際は明るければ良いという単純なものではなく、照射角、色温度、距離、波長等々を考えて設置しなければ研磨には不十分です。蛍光灯の下で磨くだなんてとんでもありません。また流行のLEDも力率が低く研磨にはあまり向きません。
カービューティープロ札幌ドーム前では研磨を行う際に必要な光源の為、赤が強めで撮影されてますが、これは塗装面をしっかりと見るため色温度を可変しているからです。
照明は様々な色温度が必要であり、すべて白色の照明の場合は撮影はキレイに写りますが研磨のレベルは低いと判断できます(ホワイトの洪水 霧の中のハイビームと同じ意味)。
求めるものが研磨なのか写真の写り具合なのかですのでコーティング施工を希望される場合は色の温度を見てみると良いでしょう。
※単純な蛍光灯、白色LEDの組み合わせは白の洪水!研磨、コーティングを施工すると言うより撮影向きの照明になります。
コーティングと言いましても多種多様な考え方があります。
1、単なる収益の一環か?
主に出張にて中古車販売店及びディーラーでの作業が多く、屋外での作業やシャッター開けっ放しでの光景を目にする機会が多いです。
2、コーティングを主体に考えるか?
ガソリンスタンド等の屋外での施工、もしくは簡易的な施工店が多いので研磨レべルが低く(収益の為行わない)照明には力量もこだわりもありません。
3、下地処理を主体に考えるか?
「下地処理を主体で考えるか?」では下記画像の様に見える光源光量が絶対必要不可欠です
上記画像をご覧いただき、どのように思えましたでしょうか?
塗装面が良く見えるかと思います。
洗車傷、雨染み、お車は色々なダメージによって美しさが低下してしまいますが、それをリセットするのが下地処理(研磨)です。
研磨作業を依頼される場合のポイント
最低でもこれぐらいの力率の照明を導入していなければ研磨作業は芳しくないです。
どなたが見ても塗装面の状態が良く見えるかと思います。
これぐらい見えなければ画像にも映りませんし、どんなに腕が良くても磨き切れませんのです。
ましてや蛍光灯の下で磨くなどとんでもない話です。
ポイントとして、力率の高い照明を使う事で光に筋が現れます。また各種色温度が見てわかる通りですが、この色温度は撮影時に非常に邪魔になります。それはカメラのホワイトバランスが一定にならないからです。
お客様のカメラマンを専業にしている方へお聞きすると、撮影時には白い光源の方が色温度の調整が容易なので「キレイに撮るなら白い光源に替えるべき」とアドバイスを受けております。
しかし、撮影が仕事ではなく、塗装面を見るためとしての照明ですので様々な色温度が混在しております。
※研磨には様々な光源が必要であり力率の高いものが求められます(後輩諸君へ 明るいだけの高精度LEDは展示用、撮影用なのでNGです)また白色のみの照明環境も、ある一定の状況には良いのですが、その範囲を超えるとあまり芳しくはありません。わかりやすく言うと白熱灯の様な色合いと昼白色でしょうか。
可視深度
研磨の際の照明は塗装面を見る際は明るければ良いという単純なものではなく、照射角、色温度、距離、波長等々を考えて設置しなければ研磨には不十分です。蛍光灯の下で磨くだなんてとんでもありません。また流行のLEDも力率が低く研磨にはあまり向きません。
当店では「可視深度」を使い数値で塗装面の見え方を取り入れております。
例えば天気の良い屋外で磨いた。=この状態を「1~10」のうち「2」とすれば、蛍光灯下での数値は「0」とします。
塗装面の見え方について
蛍光灯の場合(可視深度0の場合)
新車納車翌日の入庫でした。ボンネットに鳥フンでようか? 何らかの痕跡があり、除去するためについたと思われる傷が見えます。
軽く研磨を入れると取れました。(この程度を鏡面研磨と言われることもあります。)
が‥
蛍光灯を消して力量の多い照明(可視深度8)を点灯させると今まで見えていないものが見えてきます。
この状態で研磨しないと美しくなりませんので蛍光灯だけで研磨する事は無理がありますし、また、いくら技術力があっても見えないものは磨けません。
研磨後
小傷が除去され光が乱反射しておりません。
蛍光灯だけで研磨すること自体に無理があります。
塗装面を研磨するためには最適な光源(色温度、照射角度)が必要です。強すぎても弱すぎてもいけません。
研磨を行う際は、だれが見ても判るように特殊照明は必須です。
最近、入庫されるお客様の多くには、様々なお店に相談されるケースが目立ちます。
調べるといずれの店舗も外光が差し込んでいたり蛍光灯しかなかったり。
はたまたシャッター開けっ放し
洗車すら屋外‥
※サンプルは別のハリアーです。
この様にハッキリ塗装面を見るためには力率の強い特殊照明が必要です。
単純に蛍光灯があるではNG
流行りのLEDも美しく見せる光源ですので、無いよりはマシといった程度
また、ホームセンターで販売されているスポットライトや工事現場用とは目的用途が違います。
蛍光灯下で磨かれる暴挙もよく目にしますが、蛍光灯下はこの様には見えなく、研磨を行ってもこれからお見せする仕上がりは難しいのです。
蛍光灯下では
特に問題なく見えるかと思います。
これが蛍光灯下での研磨仕上がりと言っても過言ではありません。
拡大
やや塗装面の汚れが見えるかと思います。
YCCS認定技術者のイナガキと申します。
この状態で仕上がったと言う施工店も多いので、しっかりした研磨、コーティングをお考えの場合は記事を留意して頂ければ参考になると思いますよ。
特殊照明点灯
いかがでしょうか?しっかり状態が見えますね。
見えない物はどんなに腕が良くてもしっかりと磨けません。それぐらい力率の強い特殊照明は大切なのです。
単純に照明があるだけではNG
流行のLEDも美しく見せる光源ですので、無いよりはマシといった程度
また、ホームセンターで販売されているスポットライトや工事現場用とは目的用途が違います。
また、しっかり見えない事から半信半疑の研磨、その為、無駄な過研磨を招く事もあります。
蛍光灯下では問題なく見える=この様な環境であればクオリティーの高い仕事は難しいと思います。
照明や撮影について
傷をスポットライトで撮影し、アフター撮影でスポットライトを消してしまうケースもありますので注意が必要です。また外光を取り入れての撮影は何もしなくともきれいにに見えるものです。202ブラック等では、傷が見えてしまうので外光取り入れて撮影を行っている場合も注意が必要です。
その様な場合は「削るから~」と言う表現場目立ちます。
研磨は大きく言うと削る事ではありますが、我々は削ると言うよりは研ぐと言った方向性です。
また、しっかり見えない事から半信半疑の研磨、その為、無駄な過研磨を招く事もあります。
塗装面は削る事と言い特殊照明も無いと言うのは、そもそもナンセンスなのです。
非常に大事な【画像での研磨技術の見極め方】
画像での研磨技術の見極め方 傷をスポットライトで撮影し、アフター撮影でスポットライトを消してしまうケースもありますので注意が必要です。
流行りのLED光源について
ここからカービューティープロ後輩諸君へアドバイスです。
最近はエコの観点からLEDへ照明が変わっておりますので当店も蛍光灯はLED化しております。しかし塗装面を見る照明だけはLEDへの完全移行を行ってはおりません。
LEDは高精度からホームセンターで販売されている物まで様々ありますが 皆様知っての通り低電力の割には色再現性に優れ、とても明るく車がきれいに見えます。
しかし研磨作業においては力が足りず影が出来にくい=傷が見えないので芳しくはありません。
※2018年 素晴らしいスウェーデン製のLED照明が発表されました。近日導入致します。詳しくはカービューティープロ本部へ
力率の高い照明は撮影でこの様に写ります。
LED照明は研磨において無いよりマシ。蛍光灯よりマシとお考え下さい。
何度も繰り返しますが、単一の色温度は撮影のための照明です。
※白い照明環境 6000ケルビン前後のみ(蛍光灯他)ではNGです。それは白の洪水であって、霧の中のハイビームを同じ意味になります。
下記はアウディ・A3のボンネット 照明の違いが判りますでしょうか?
LED照明(可視光線深度4)
黄色っぽいのが高出力照明(可視光線深度8)、青色がLED照明(可視光線深度5)ですが、LEDはあまり傷が見えません。
拡大
青色が高精度LEDですが中央の黄色ぽい照明は高出力照明になります。 中央の方がコントラストがハッキリして傷が見えますね。いっぽうLED照明はあまり傷が見えません。
高出力照明(可視光線深度8)
ホンダアコード
コントラストが強いので 傷がハッキリ見えますので磨けるんです。
拡大
左右とも色温度3,500ケルビン
左側が高精度LED(可視深度5)・右の高出力照明(可視深度8)
比べると高精度LEDの傷が少なく見えますね。
これでは研磨には使えません。
ホンダ・アコードユーロR PCX-S7(低撥水・艶・耐すり傷・防汚性)
見えにくい淡色車で見てみましょう。
日産・GT-R
パールホワイトのお車はキズが見えにくいですが、強い光源ではこれぐらい撮影が可能です。
コントラストが強いので塗装面の状況がハッキリ見えます。
コントラストが強いので 傷がハッキリ見えますので磨けるんです。
2015/2 日産・R35 GT-R(2012y)ブリリアントホワイトパール PROMAX EXE(高撥水、艶、耐久性)
2018 札幌モーターショーでの光景
ドーム内は水銀灯、LEDスポットライトが沢山点灯し非常に明るい。また持参するライトも携帯性の良いLEDがほとんどですが、光が白すぎて見えるものが見えなくなってしまう現象もあります。
霧の中のハイビームを連想していただけると判り易いかも。
それを踏まえ黄色い光線を出すライトを持参し適正な光源を当てている事に本当に驚きました。
旧式の光源でも流行物に流されず迷わず選択する判断はさすがです。職人としてこう有りたいものです。このハロゲンは500Wですが「可視深度7」です。
塗装面の見え方、いかがでしょう?
LEDは色再現性に優れ「明るくキレイに見える=傷が見えにくい」ので魅せるためのカーディーラやショールーム等、または撮影では良いと思います(傷が見えすぎたら誰も買いません)が、研磨を行う作業所ではコントラストが重要となりますので作業を考えると金額の割に今一歩及ばずと判断します。
※昨年、LEDメーカーに問い合わせを行ったところ、光量、角度など当店の望むスペックの製品は今のところ存在しないと回答を頂きました。
研磨には明るすぎてもダメ、力のあるコントラストが重要なのです。
どんなに腕の良い職人でも見えないものは磨けません。
PRO後輩諸君は流行に左右されず、確実な設備をご検討下さい。
可視深度(光源より2m) | |
---|---|
蛍光灯 | 0 |
晴れた日の屋外 | 2 |
高精度LED | 4 |
500Wハロゲン | 7 |
高出力照明 | 8 |
㊙ | 10 |
適切な光源を使うからこそ塗装面のコントラストがハッキリし良く傷が見えるんです。
ランドクルーザー200
トヨタのソリッドブラック カラーコード202は大変デリケートなカラーで洗車傷が入りやすく、間違った研磨では余計ひどくしてしまいます。
レクサス・GS350(スターライトブラックガラスフレーク)
パッと見、キレイなGSですがカラスに付けられた傷跡、酸性の汚れでルーフ部分に痕跡等でご相談され、全体を一度リフレッシュさせて頂くことになりました。
アウディ・Q7
BMW・528i(ブラックサファイア )
硬質塗装のBMWでも徐々に塗装面が洗車傷で覆われ曇りが目立ってきます。
マツダ・アクセラ
お車はタオルでゴシゴシ拭いたかのような大量の拭き傷、研磨の痕が散在されておりお客様も気にされてい様です。可能な限り磨き上げましたので、一皮むけた感じでしょうか?
お客様も「全然違いますね」と大変喜んでいただきました。
トヨタ ・マークX
平成17年登録、走行距離 約7万kmほど走行されているお車ですが「洗車傷が気になる」との事でのご入庫。
トヨタ ・プリウス
傷がつきやすく目立ちやすいトヨタ・202ブラック
印象に残っているお車【レクサス・GS 】
5年ほど前に他社様でコーティング施工されたそうです。施工当時はキレイだった様ですが年々くすみが発生。
お客様自身の手入れの仕方が問題かとも思えましたが、コーティングで研磨傷を埋めて(又は目立たなく)、さらに埋める効果のあるコーティング剤を使われていた様に見受けられます。
つまりコーティングが剥げてバフ傷が出てきたものと考えられます。
埋めることはカーボンパーツや旧車など塗装の余裕がない場合はお客様説明の上施工するのもアリと思われますが‥。
誰でも同一レベルの仕上がりを考えられたフランチャイズ店、量販店に多く見受けられる施工法です。
研磨には光量を調整できる環境と適正な特殊照明が必要不可欠です。
適正な位置に光源があると施工者の目線はこの位置になります。
いかがですか?塗装面にスポットライトが照射されよく見えてます。
色温度の違いで塗装面の見え方が変わります。
当店は各種光源を組合せ、色温度、照射角の違いで塗装面を把握しています。
コーティングをご検討中のお客様へのポイント
画像の様な四隅だけに固定式光源を置いた場合は、光源より遠すぎ部分的に塗装面が十分に把握できません。
また、塗装面を見る際は明るければ良いという単純なものではなく、照射角、色温度、距離、波長等々を考えて設置しなければ研磨には不十分です。
余計な外光を遮り研磨に必要な塗装面を見るための各種光源が必要
当店は研磨に真摯に向き合い研磨の理想形を実現しております。
蛍光灯群は当店のこだわりのひとつです。
ご来店いただいたお客様が驚く点。一般的なコーティング店の4倍ほどのコントラストを作り出す蛍光灯群
この明るさが外光を入れなくても施工ができるための必要不可欠な設備です。
これはコーティングだけではなくクリーニングや他のサービスにも必須な明るさなのです。
更にアドバンテージ
様々な多層式コーティングがセラミックプロ9H登場以来増えてまいりましたが、その多層式、専用の照明で点検されているでしょうか?
専用の照明はスポットライトなどの塗装面の凹凸を確認するものでも蛍光灯でもありません。
「照明について」内の記事にもありますが、専用ディテイリングライトをお持ちでないと2層目以上(特に撥水性)からムラが非常に多い状況が目に余ります。
セラミックプロ9H施工店が使えるディティーリングライト
こちらが仕上げを左右します。単なるLEDなどではありません。
濃色車で異常なほどムラが多く(日中はわかりません)、明るいだけの照明では仕上げることが困難かと思います。
※一般コーティング店(フランチャイズや個人店)はこの照明を導入できません。
【照明】六角形型LEDライトについて
最近よく見かけるヘキサゴンライト(六角形型)ですが、研磨作業には向きませんので注意が必要です。
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この照明の良さはムラなく明るい事です。
しかしカーディティリング業においてはカーラッピング、プロテクションフィルムを施工する場合は良いのですが、研磨の場合、コーティングの場合は通常の蛍光灯のみと同様に塗装面の凹凸が見えませんのでNGです。
研磨技術が未熟な場合や理解されない場合の導入例が多いので、求めるものがしっかりした研磨の場合はNGと言う事です。
また、他の照明もこのヘキサゴンライトと同様6000ケルビン付近の照明の場合は、白の洪水となり研磨には向きませんのでご注意下さい。 ※カーショップなど傷が見えてはダメな場合は有効です。
何を求めて依頼するかはお客様のご自由ですが、少なくともしっかりした研磨をコーティングの場合はコントラストを意識した照明を設置されているかが大切です。
全道1のコーティング「カーメイキング札幌」様
研磨とコーティングを行うための照明です。
この光量、色温度がごまかしのきかない証明です。
ポイント
余計な外光が入り込んでいないか?
ショーウィンドウのような外光が入り込む環境ではないか?
作業スペースに窓ガラスより外光が入りんでいないか?
※照明と並び重要な事です。光は複数から入り込むと塗装面が把握できず塗装面の傷が見えにくくなります。また防犯上好ましくありません。
撮影の際に外光を入れて撮影していないか?
外光を入れると光沢が出たかのように写りますので(何も行わなくてもコントラスト差でキレイに見える)注意しましょう。
まとめ
研磨を希望のお客様は紹介させて頂きました塗装面のキズ画像をどこまで公開しているかが美しさの重要なポイントになります。(特殊照明を設置せず蛍光灯だけで磨くというのはレベル意識が低いのです。)今の時代、コンデジでもこれぐらいの撮影は技術が無くても可能ですが、写らない=コントラストがハッキリしないと考えても不思議ではありません。つまり深くまで見えていないと言う事になります。
深くまで見えていない=どんなに腕が良くても磨けないと言う事になります。
なので下記画像 これぐらい見えなければ研磨には不向きです。
それはコントラスト強いためピントが合うからです。
明るさではなく強さが必要!
2023年最新の動向
LED照明が手に入りやすくなり、コーティング業者のLED化が進んできた10年と思いますが、僕がうるさく力率の強い照明を謳っており、その事に気が付いたコーティング施工店が水銀灯などに戻してきております。これはLEDは明るいけどコントラストが出ない(傷が見えない)事に気が付かれた施工店が多いと言う事です。
手直し 最新
当店は下地処理がコーティングには大切と言う観点から様々な案件のご相談があります。価格だけで研磨作業を依頼した結果、当店での手直し等、様々な事例がありますのでご関心があればご覧ください。
原因は技術、照明、環境です。
トラブル事例 最新の情報は「ブログ カテゴリ 経年車 トラブル」
手直しギャラリー
量販店でコーティングした。等、安価で早いのは理解できますが、デリケートな202ブラックで3時間はありえないと当店では思います。またカービューティープロ スクール卒業後1年未満の新人が10年以上の経験のある業者様の手直しをするって異常と思います。
「基本をマスターしての応用」研磨はだた磨けば良いと言うものではありません。
研磨には理論が必須です。これが最新の技術と理論の享受なのです。
理論が無ければ‥