コーティングのトップコート及び多層式コーティングについて

多層コーティングは塗れば多層と言う単純なものではありません。

一般的なガラスコーティングの成分は層にはならず(定着しない)、ガラスコーティングでも「ある素材」によって多層を可能としておりますが、意外と知らない事実です。

良くある多層コーティングの場合はベースコートにガラスコーティング、トップコートにシリコン系やポリマー系(中にはWAXと信じられない施工法)を使用されているケースが非常に多く、特に誰でも入手出来てしまうGZOXやエシュロンへラベルを貼りオリジナルと称するケースが目に余ります。

厳正な規格のないコーティング業界は業者でありながら非常に恐ろしく感じてしまいます。

またオリジナルと称しガラスコーティングの弱い部分を補うためとしての工夫(有機系トップコート)をされている場合は、説明によりお客様が納得すれば良いのですが、集客上で硬化型と言いつつ、実は硬化しない物を使い硬化型と販売する事は、これ食料品であれば非常に怖い事だと思います。

単純に2層や3層と言っても何を使われているかで判断された方が良いと考えます。(そもそも層にはなっていない方が多い、回数だけです。)

一般的な多層コート

ベースコートにガラスコーティング、トップコートにシリコン系やポリマー系(中にはWAXと信じられない施工法)を使用されているものがほとんどです。これはガラスコーティングの弱い部分を補うためとしての工夫ですが、単純に2層や3層、はたまた4層と言っても何を使われているかで判断された方が良いと思います。

硬化するか硬化しないか?

見分け方は容器です。硬化する物はビン及び缶に入れられ空気や湿度に触れないように対策されております。

この容器がとても大切で、硬化しないものはプラスティック容器に入れられており、ケイ素など微細なガラス成分を入れられている事から「ガラスコーティング」を名乗るものも存在します。決して結晶化する事は無いでしょう。当然耐久力も落ちます。

硬化しないタイプのコーティング剤をテストで使います。

PRO ohmiya

イメージのため硬化しないポリマータイプのコーティング剤を、ウィンドウリペアで使用されるレジンを硬化させるための紫外線ライトを照射させてみました。紫外線がボトル内で散光され幻想的かつ美しく見えます♪

ガラス被膜(ベース層)を保護させたり水流れを調整するための物ですが何を使われているか注意が必要です。

トップコートについて

当店で使用するコーティングには種類によって様々なTOPコートがあります。


左から
PC-52A フッ素ポリマーコーティング
PCX-S7 オーバーコート(TOP)
PCX-V110 オーバーコート(TOP)

※プラスティックボトル入り=硬化しない。

目的はコーティング皮膜を守る一時的な犠牲皮膜です。

上記トップコートを必要とした場合、ベースとトップコートの2工程塗布では完全2層式ガラスコーティングとは表記しません。

その場合はお客様に何故トップコートが必要か、使った場合はどうなるかを説明させて頂いております。

多層コーティングについて

2層、3層、はたまた4層と多層コーティングはセラミックプロ9Hが日本で施工されるようになってから多くなってきました。

セラミックプロ9Hは素材が重ね塗りできるのですが、一般的なガラスコーティングは同素材のものを何度も塗っただけでは層になりません。層にするための素材、またはバインダーが必要です。

良くある多層コーティングの場合

単なるコーティングの保護のためのトップコート

トップコートの保護のための更なるトップコート

重ね塗りではありますが多層ではありません。

—イメージ—

ポリマー(オーバーコート)

ポリマー(トップコート)

ガラス(ベースコート)

塗装面

または

WAX

ガラス

塗装面

さらに

有機質

有機質

無機質

塗装面

この様なイメージでしょうか。

PRO ohmiya

コーティング被膜を守る為のトップコート、この場合はシミやウォータースポット、スケールが多く、ベースコートもしくは施工方法が北海道の気候(気温、湿度)に合ってない場合が多いので弱点を防ぐためとも判断できます。

しかし数か月でトップコートが流れてしまったら、その後はどうなるのでしょうか?

セラミックプロ9H(4層)の場合

トップコート(撥水の場合 セラミックプロライト(ナノセラミックコーティング))

セラミックプロ

セラミックプロ

セラミックプロ

セラミックプロ

塗装面

SPGコート(完全2層式ガラスコーティング)の場合

トップガラスコーティング(柔軟性 機能を決定)

ベースガラスコーティング(硬質 塗装面に対するアンカー的役割)

塗装面


撥水タイプを主にしたコーティングの場合は研磨の際に油分で埋めるケースが多く、光沢は一時的に良く見えますが、脱脂が完全に出来ないため定着が弱くコーティング自体が長持ちしません(当たり前ですね)。それを撥水させるメンテナンス剤でユーザーさんが毎回補うので、洗車の都度メンテナンス剤の使用を推奨される場合はこのタイプと言っても過言ではありません。コーティング=撥水(洗車しやすい)はこれから来てる物と思います。

親水タイプのガラスコーティングを取り扱う場合、上記の様な油分での研磨を使う事はご法度となります。

紫外線を防止?

紫外線を防止すると言われるケースもありますが、実証した結果全く変わりがない製品もあります。

気になる方は検索で気になるコーティング名称 紫外線で検索してみて下さいね。

トップコートがWAXの場合

WAXの場合

親油性、つまり油汚れを引き寄せます。ガラスコーティングは基本的には有機汚れを防ぐ効果がありますが、そちらに有機汚れを引き寄せるWAXの使用は本末転倒です。

では、なぜWAXなのか?

硬化するのに時間がかかるために初期硬化不良の可能性が強い

遠赤外線ヒーターが無い為、硬化できないのでスケールの固着が目立つ

温度が低い状況での施工

湿度が高い状況での施工

そもそも北海道の気候に合っていない

と考えられます。

90年代はワックスの流行った時期ですのでご存じの方も多いかと思いますが、油分のため光沢が良く傷の隠ぺい効果もあります。

しかしワックス掛けの翌日ホコリまみれやちょっと走っただけでの汚れ方は親油性ならではです。

また、紫外線を吸収してしまう事により塗装面の痛みを促進させる場合もあります。

※洗車機で良くWAX洗車を行う車はヘッドライトに液体ワックスが付着し黄変・白濁の原因となります。これヘッドライトだけではなく塗装面も痛んでいるんです。日光浴の際にサンオイルを塗って肌を焼くのと同じ意味です。

そこでガラスコーティングが主流になりました。

メリット・デメリットはありますが主な事は耐久性と有機系の汚れを引き付けない事と思います。

WAXはあくまでも単体で使うものであり、メリットは手軽で光沢感がUPです。

コーティングとは概念が違いますので、違うものを一色単にするのはそもそもしっかりした理論が無いからと言っても過言でなく1+1=2にはなりません。

コーティング車両にWAXを掛けてもいいの?

若干ケイ素が入っているコーティング剤をガラスコーティングとして使われるケースも良くありますので、即日納車、温度管理(16度以上)が出来ない施工場所(屋外やシャッター開けっ放し)でガラスコーティングの名称を使わわれている場合は注意が必要です。

セラミックプロのTOPコート(セラミックプロライト)の場合

瓶に入っております。

PRO ohmiya

Ceramic Pro 9Hのトップコートとしても使用されていますCeramic Pro LIGHT(セラミックプロ・ライト)は、高い撥水性と高い光沢性を持つボディ用コーティングです。撥水性に優れ、ボディに汚れを寄せ付けにくくします

セラミックプロ ライトは単体でも施工できるコーティングになります。

メーカーからの抜粋
Ceramic Pro Light is a Nano-Ceramic Protective Paint Coating with durability of up to 24 months.

Ceramic Pro Light is a protective coating with a durability of up to 24 months that features a High Gloss finish, superior Super Hydrophobic Effect, Chemical Resistance, UV Resistance, Thermal Resistance and Anti-Grafitti.
Both the Super Hydrophobic and Anti-Grafiti effect combined mean the surface coated with Light will stay cleaner for longer as dirt and grime will not stick to the surface and the super hydrophobic effect of the coating will cause water to bead up and roll of the surface with any dirt and grime.

The unique formulation of Light enables it to be layered up to 2 times for even more gloss and protection, for best results Ceramic Pro Light can be applied over Ceramic Pro 9H to increase gloss and super hydrophobic effect.

翻訳すると

Ceramic Pro Lightは、最大24ヶ月の耐久性を備えたナノセラミック保護塗料です。

Ceramic Pro Lightは、24ヶ月までの耐久性を備えた保護コーティングで、高光沢仕上げ、優れた超疎水性効果、耐薬品性、耐UV性、耐熱性、耐グラビティ性を備えています。

スーパー疎水性とアンチグラファイト効果の両方を組み合わせることで、光でコーティングされた表面は汚れや汚れが表面に付着しないように長く清潔に保たれ、コーティングの超疎水性効果によって水が表面に浮かび上がります汚れや汚れがある。

光のユニークな定式化により、最大2倍の光沢と保護を得ることができます。

Ceramic Pro Lightは、Ceramic Pro 9Hよりも光沢と超疎水性を高めるために使用できます。

通常のガラスコーティング剤は重ねて塗る事は出来ますが層として定着はしません。

完全2層式、または完全3層式と表記しているのは、単純に2回塗ったなどではなく、どのような素材を使用したかの表現です。

PRO ohmiya

当店のSPGコート・EXE evo1は完全2層式ガラスコーティングです。

完全2層式ガラスコーティングのラインナップ

完全2層式ガラスコーティング「SPGコート」

完全2層式ガラスコーティング「SPGコートWheel」

まとめ

多層(2層以上)コーティングのトップコートについて書かせて頂きました。

また下記のコーティングについてですが、アマゾンで買えるようなコーティング剤に名称を変えたり、オリジナルと称して施工されるケースもあり、その多くが当記事のトップコートの可能性が多いと思います。

多層構造 2層 3層など増えてきましたが、その殆どは有機性であり目的は判りますが、無機質のガラスコーティングに有機質のトップコートって本来別素材のものであるので単純な足し算方式ですね。そもそも有機質のトップコートを施工すると言う事は本来のガラスコーティングのベース層に不安があるという事ではないでしょうか?

また有機質には有機物を寄せる効果がありますので、単純の汚れやすくするのですが、WAX(有機質)が主流だった時には、WAX掛けの翌日に車が汚れると言う事があり、皆さん苦渋な思いをしたものです。そこでガラスコーティングが主流になってきたのです。

また紫外線を防止すると言われるケースもありますが、実証した結果全く変わりがない製品もあります。気になる方は検索で気になるコーティング名称 紫外線で検索してみて下さいね。

もちろんガラスコーティングにも弱点はありますが、足し算的な施工を行い、無機に有機と定着しない(するかも知れないが弱い)ものを行うようであれば、ベースガラスコーティングの弱点を補うためのトップコートの場合は施工部分に注意が必要ですし、それを維持するためのメンテナンスは洗車マニアでもない限り難しいかと思います。

温度管理の徹底とカーボンヒーターの焼付処理でガラスコーティングを1層しただけでも相当改善されます。

施工を依頼される場合はしっかりと確認されることをお勧めします。